コントロールサービスって何なのさ
ご無沙汰しております。マサオミです。バタバタしておりまして、ようやく落ち着いてブログが書けます。
いきなり質問です。製品トライアルをお試しの皆さん、Arcserve Replication / High Availability のコントロールサービスってどこにインストールしていますか?マスタとレプリカの両方にインストールしてませんか?
コントロールサービスはマスタとレプリカ両方に入れる必要はありませんよ~!
ってことで、今回は最近特に質問の多い、「コントロールサービスって何ですか?」「どこにインストールすればいいんですか?」という疑問に答えたいと思います。
まず、CA ARCserve Replicationのコンポーネントについてご説明しておきます。
(2020年3月10日追記)この記事に出てくる「CA XOsoft」は「Arcserve Replication / High Availability(Arcserve RHA)」の旧称です。Arcserve RHA r15 以降を使っている方は置き換えて読んでください。
【1】 CA XOsoft コントロール サービス (インストール必須)
シナリオの作成や稼働状況の確認など、レプリケーションの管理に必要なサービスです (「コントロールサービス」と呼びます)。マスタおよびレプリカサーバとTCP/IPで通信可能なサーバにインストールします。つまり、どっかに1台あればいいんです。ちなみに、ライセンスの登録・管理もコントロールサービスで行います。
【2】 CA XOsoft エンジン (インストール必須)
レプリケーションを実行するコンポーネントです (「エンジン」と呼びます)。マスタサーバ(複製元、ソース)とレプリカサーバ(複製先、ターゲット)の双方にインストールします。
【3】 CA XOsoft マネージャ (インストール必須※)
コントロールサービスサーバに接続し、シナリオを操作するための管理コンソールです (「マネージャ」と呼びます)。ActiveXコントロールとしてコントロールサービスサーバからダウンロードして使用します。
※注目!: インストール必須、と言っているのはのはダウンロードしてきた時に、ダウンロードしたマシンに簡易インストールされるからです。なので、製品のインストーラからのインストールはしません。IEやFirefoxなどのブラウザでアクセスしてダウンロード&インストールする、というイメージです。
【4】 CA XOsoft パワーシェル (インストールは任意)
コマンドラインでレプリケーションの管理を行うためのコンポーネントです。コントロールサービスと通信ができるマシン(PCでも可)にインストールします。事前にWindows PowerShellをインストールしておく必要があります。このXOsoftパワーシェルについては別途説明しますので(※1)、今回の記事では説明を省略します。
---------------------------- 本題 -------------------------------
では、コントロールサービス、エンジン、マネージャの関係について簡単にご説明します。まず図1を見てください。
【図1】 コントロールサービスが別サーバにある場合
管理者の方(皆さん)はマネージャを通じてコントロールサービスに接続し、「シナリオを開始!」とか「止めろ!」などの操作(①)を行います。その操作をコントロールサービスはエンジンに伝達・命令(②)します。命令を受けたエンジンはその命令内容を実行します。上の図ではレプリケーションが実行される(③)、という流れです。
コントロールサービスをマスタサーバ・レプリカサーバとは別のサーバにインストールした場合は図1のようになりますが、マスタとレプリカのサーバ2台のみで構成する場合には、以下の図2のようになります。
【図2】 コントロールサービスがレプリカサーバに同居している場合
レプリカサーバにコントロールサービスを同居させている感じです。でも、行っていることは図1も図2も同じなのです。
ちなみにコントロールサービスがどこにあっても、操作・命令の伝達までの流れは変わりません。極端な話、マスタサーバにあってもレプリケーションはできます。ただ、本番サーバであるマスタが壊れてしまったときにレプリケーションの操作ができないのは困りますので、レプリカもしくは別立てのサーバに入れるというのが一般的です。
では、「レプリケーション環境がいくつもあるんです」「レプリカがいくつも存在しているんです」って場合はどうでしょうか?
その場合も、コントロールサービスは1台でいいんです。
【図3】 コントロールサービス1台で各所のレプリケーションを管理
図3は分かりやすさ重視のために別立てのサーバで描いていますが、どこかのレプリカサーバに同居(間借り?)しても大丈夫です。その代わり、コントロールサービスを入れたレプリカサーバは他の全部のサーバと通信できるようにしておいてください。
例えば、複数台のサーバからデータをレプリケーションしてくる、という場合の例はこんな感じです。
【図4】 N対1レプリケーション時にコントロールサービスをレプリカに同居させる
この場合もコントロールサービスは相変わらず1台でいいんです。
コントロールサービスは1回インストールしたら終わりです。ライセンス登録も基本的には1回していただければそれで終わりです。(トライアルライセンスを製品版ライセンスで上書きします、って時は別ですが・・・)
あれ??ライセンス登録、2回した気がするぞ!?
って時には、コントロールサービスを2台以上にインストールしている可能性がありますので、環境を見直してみてください。
<関連記事>
※1 Arcserve RHA PowerShell(旧称 CA パワーシェル)については以下の連載記事で詳しく解説しております。
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