bbそろそろ衣替えの季節になってきましたね。先週今週の2連荘投稿、レイブンです。
ARCserve Replicationで遠隔地にデータを複製したい、といった需要が増えているのでしょうか。最近トライアル版をご使用中のお客さまからのご質問が増えているように感じます。
そんな中で、興味深いお問い合わせがありましたのでご紹介させて頂きます。シナリオを実行すると、レプリケーション対象のフォルダにアクセスできなくなる、という現象です。レプリケーション対象のフォルダにアクセスすると砂時計状態になってしまうそうです。シナリオを開始してからしばらくはこんな状態で、また、シナリオを停止するとアクセスできるようになるとのことなので、レプリケーションを始める際に行われる「同期」に着目。この現象に対し、同期方法を変更する、という対処を取りました。
実は同期方法には何種類かあり、チューニングが可能だったりします。ファイルレベル同期、ブロックレベル同期、オフライン同期。ファイルサーバシナリオではデフォルトではファイルレベル同期が実行されます。
ファイルレベル同期は、マスタとレプリカでファイルを比較し、差異のあるファイルだけをレプリカに転送します。ファイルサーバーのように細かいファイルがたくさんある場合に効果的です。(※1)
ブロックレベル同期は、その名の通り、マスタとレプリカのデータをブロック単位で比較を行います。ファイルより細かいブロック単位で差異を検出するので、SQL Server、Oracle Database などデータベースレプリケーションで効果的です。
オフライン同期は、マスタ側のレプリケーション対象のスナップショットを取り、外部メディアに吐き出します。それをレプリカ側に輸送して、レプリカにコピー、比較を行います。低速回線や遠隔地とのレプリケーション運用の場合に効果的です。
ちなみに今回のお客様はファイルサーバーのファイル/フォルダを対象とした運用でしたが、ブロックレベル同期を実行されておりました。ブロックレベル同期ではファイルのスキャンをする際に一時的に複製対象のフォルダをフリーズする(※2)のですが、ファイル数が多いとフリーズ時間が長くなってしまう事があります。そのため、ファイルレベル同期をお試しいただくようご案内しております。
同期を制する者、ARCserve Replicationを制す、でしょうか
レイブンでした。
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※1 ちなみに、ここでファイルレベルと言っているのはあくまで「同期」の話です。「同期」はシナリオを始める時にだけ行われ、「同期」が完了したら「レプリケーション」によって継続的にデータの変更処理が複製されます。
なので、同期の方法を「ファイルレベル」にしたからと言って、データに変更がある度にファイルが丸ごとレプリケーションされるようになる、というわけではありませんのでご安心ください。
※2 Arcserve Replication/HA r16 SP2 以降のバージョンではブロック レベル同期の際にも VSS スナップショットを使用するよう仕様が変更されており、フォルダがフリーズされる事は無くなっています。下記技術文書もご確認ください。
■ブロック レベル同期をファイルサーバで使う場合の影響について
https://support.arcserve.com/s/article/202910335?language=ja