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2012年9月21日 (金)

「うっかり削除」をレプリケーションしない方法

こんにちはホテです。

ARCserve Replication/HA の導入を検討しているお客様からたまにいただくご質問に
「マスタ(複製元)で削除されたファイルはどうなるの?」というものがあります。

答は簡単で、マスタで削除されたものはレプリカ(複製先)でもきれいに削除されます。
ARCserve Replication/HA はマスタで行われた変更をレプリカで再現する事で、
データを複製するソフトですから、当たり前と言えば当たり前かもしれません。

Fig3

(マスタで削除したものはレプリカでも削除)

特にファイルサーバなんかでは、ユーザの方が誤ってファイルを削除してしまう事が
日常茶飯事なので、ARCserve Replication/HAをご利用のお客様のほとんどが、
そういった事故に備えてARCserve D2DやARCserve Backupをセットで利用されています。

では、ARCserve Replication/HAの機能だけでは全く打つ手がないのかと言えば、
そうでもありません。今日はARCserve Replication/HAのプロパティをいじって、
ファイルの「削除」だけをレプリケーションしない方法を試してみようと思います。

設定方法は簡単です。

シナリオが止まった状態で、[レプリカ プロパティ] の
[レプリケーション]-[レプリケーション中に削除されたファイルを保持する]
を「オン」に変更します。

R_005

(初期設定ではこのプロパティは「オフ」になっています)

後は、シナリオを保存して開始するだけ。
試しにマスタ(複製元)サーバで必要ないファイルを削除してみてください。
そのファイルがレプリカ(複製先)では削除されないことが確認できます。

R_007

(レプリカでは削除されない)

ただし、この設定は万能というわけではなくて、いくつか注意点があります。

注意点1:完全に論理障害を防げるわけではありません

今回レプリケーションしないように設定したのはあくまで「削除」だけです。
例えば、誤った内容でファイルを上書きしてしまうと、その内容はレプリカにも
反映されてしまいます。

なので、ARCserve D2DやARCserve Backupなどのいわゆる「バックアップ」ソフトを
使った世代管理はやはり必要不可欠なものだと思ってください。

 

注意点2:レプリカに削除されないファイルがゴミとしてたまっていきます。

レプリカにはファイルの削除が反映されず、本来なら削除されるべき
ファイルが徐々にたまっていきます。一つ一つは少ない量でも、
これが長い期間積み重なっていくと、意外に膨大な量になってしまい、
レプリカサーバのディスク容量を圧迫してしまいます。

そこで、定期的に「同期」を行ってください。同期によりレプリカにしか存在しない
ファイルは削除されるので、その分ディスクの容量が解放されます。

定期的に同期を行うには「スケジューリングモード」のシナリオを別に作って
実行するのが便利です。以下の記事も参考にしながら設定してみてください。

スケジューリングモードを使った同期の自動実行

スケジューリングモードを使った同期の注意点

---------------------------
[2014年3月11日追記]

CA ARCserve Replication/HA r16.5から仕様が変わり、
同一のレプリカルートディレクトリを持つシナリオを複数実行できなくなりました。

なので、定期的に同期を実行して余分なファイルを削除するには、
スケジューリングモードではなくPowerShellを使ってください。

CA ARCserve RHA PowerShellの使い方はこちら↓

これで解決!PowerShellスクリプト実行ガイド
---------------------------

 

<関連記事>

隠れた機能シリーズ: その変更、ちょっと待って!

「レプリケーション」と「バックアップ」の違いとは

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