ARCserve RHA r16.5 新機能 ~ リモートサイトの仮想マシン自動起動で簡単災害対策 ~
+++++++++ 2018/10/16 追記++++++++++
Arcserve D2D の後継製品である Arcserve UDP では、この記事で紹介している遠隔地への仮想スタンバイを標準機能としてご利用いただけます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
Arcserve UDP 機能紹介 ~ (11) バックアップデータの遠隔転送 ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2015/03/arcserve-udp-11.html
Arcserve UDP 機能紹介 ~ (12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ) ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2015/03/arcserve-udp-12.html
+++++++++++++++++++++++++++
マサオミです。
一週間空いてしまいましたが、新機能紹介、どんどん行きます。本日のTech Tuesdayは引き続きARCserve RHA r16.5の新機能「リモートサイトで仮想マシンの自動起動」のご紹介です。
======= r16.5 新機能目次 =======
① Windows Server 2012 対応
② Hyper-V シナリオのWAN対応強化
③ VMware vSphereのバックアップデータのレプリケーション ~ Host-Based VM Backup 連携 ~
④ リモートサイトで仮想マシンの自動起動 ~ Virtual Standby 連携 ~(←本日はここ)
⑤ VMware vCenter Serverの冗長化 ~ vCenter Serverシナリオのサポート ~
⑥ SMTP認証強化
⑦ マルチテナント対応
⑧ Oracle データベース マルチインスタンス対応
⑨ レポートのメール添付形式の変更
⑩ その他の新機能・改善点
==============================
まず本題に入る前に、前提としてARCserve D2DとARCserve Replicationの連携とARCserve D2Dの拡張オプションARCserve Central Virtual Standby ( 以降、Virtual Standby (バーチャル スタンバイ) ) をご理解いただく必要があります。
ARCserve D2DとARCserve Replicationの連携については既にこのブログでも何度もトピックで書いておりますので、以下の記事をご参照ください。動画もあるのでわかりやすいと思います。
ARCserve D2D × Replication 統合シナリオによるサーバの災害対策
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2012/01/arcserve-d2d-re.html
そして、Virtual Standby ですが、こちらも以前このブログでも記事にしています。簡単にご説明すると、ARCserve D2Dのバックアップデータをすぐに仮想変換してスタンバイ機を仮想環境上に作り出すというオプション製品です。
ARCserve D2Dに3万円足して、仮想環境(Hyper-Vなど)を準備いただければそれだけで障害時の復旧時間を短縮することができるわけです。
サーバ障害時、すぐにスタンバイ用仮想マシンに切り替えできます!~Central Virtual Standbyのご紹介~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2012/10/central-virtual.html
そして、今回ここにARCserve Replicationとの連携も加わり、リモートサイトで仮想マシンを起動して、災害時などでも業務継続をできるようにする、というのが今回の新機能になります。名前も「Remote Virtual Standby (リモート バーチャル スタンバイ)」機能です。
さて、前回の記事でARCserve HBVBと連携したシナリオを作って動かしていたので、そのまま同じ環境を使って構築します。
STEP1) VMware ESX上の仮想マシンを、ARCserve HBVBでバックアップを取る
STEP2) そのバックアップデータをARCserve Replicationで遠隔地に転送しする
STEP3) Virtual Standbyを使っていざと言う場合には仮想マシンを起動させる
ということをしてみたいと思います。前回まででSTEP1とSTEP2は終わっていると思ってください。
[導入時のポイント]
ARCserve D2D/HBVBの連携シナリオとVirtual Standbyを組み合わせて利用するときは、シナリオ名は英数字のみにしてください。
追加作業として、レプリカサーバにARCserve D2DとVirtual Standbyをインストールします。
今回はVMware ESXの仮想マシンのバックアップデータを遠隔地のESX上に復旧するというイメージで構築したいと思います。
(機材の関係で若干無理はありますが、ご了承ください)
ここまでできましたら、以下の手順で進めます。
① Virtual Standbyのホームページからノードを追加する際に、「CA ARCserve Replicationからのノードのインポート」を選択します。
② ノードのインポート画面で、ARCserve Replicationのコントロールサービスが導入されているサーバのホスト名(またはIPアドレス)を入力し、ユーザ名とパスワードを入れて[接続]ボタンを押します。表示されたノードを確認して[インポート]をクリックします。
③ 次にコンバータ(Converter)情報を設定します。今度はバックアップデータの複製先であるレプリカサーバのユーザ名とパスワードを入力し、[更新]を押します。(今回の構成ではコントロールサービスの導入されたサーバと同じです。)
[情報]の部分が「更新済み」になったら[閉じる]を押して画面を閉じます。
※コンバータはバックアップデータを仮想マシンファイルに変換していくコンポーネントでARCserve D2D r16.5 と一緒にインストールされます。
④ ノードに登録されたら、次に仮想マシン変換のポリシーを作ります。左のメニューから[ポリシー]をクリックし、[新規] - [リモート仮想スタンバイポリシー] を選択します。
⑤ 環境に合わせてポリシーを作成します。必要な情報を入力し、[保存]をクリックします。今回はVMware ESXサーバに直接仮想マシンを作成します。
⑥ ノード画面に移動すると、ポリシーが割り当てられていることがわかります。しばらくすると仮想マシンへのコンバートが行われます。
⑦ コンバートが完了します。
さて、ここで本番サイトの方に大きな災害があり、電源が一切供給されなくなってしまったとします。その時に管理者が行う作業は何か。
ずばり、「ボタンを押す」です!
① 仮想マシンにチェックを入れ、[スタンバイ VM]ボタンを押します
② 起動するバックアップデータを選択し、[VMの電源をオンにする]をクリックします
すると止まっていたスタンバイ仮想マシンが・・・
起動してきます!
という感じで、本番サイトで稼働していた仮想マシンが別のサイトで全く同じように稼働してきます。
ただ、仮想マシンの内部に設定されているIPアドレスは元のサイトで使われていたIPアドレスのままです。 このままでは、ネットワークにつながりません。
この部分に対しても Virtual Standby r16.5 はきちんと考慮がされていて、予め切り替えた後に書き換えるIPアドレスを設定しておくことができます。
以下のような画面で設定します。環境に合わせて設定ができます。上方にある[DNS更新設定]タブでDNSサーバを指定すれば、仮想マシンのAレコードの書き換えまで行ってくれます。
この設定をした後に仮想マシンを起動すると、上記で設定したIPアドレスに書き換えが行われて起動してきます。
いかがでしたでしょうか。ちょっと長い記事になってしまいましたが、Virtual Standbyの魅力を少しでも感じていただけましたら幸いです。
なお、Virtual StandbyはD2Dのバックアップデータを仮想変換して立ち上げる機能なのでARCserve High Availabilityのように最新のデータで立ち上がるわけではありません。ただ、システム全体のバックアップが複製され、仮想マシンになって立ち上がるので複製先で同じシステムを構築しておく手間が省けます。
環境やご要望に応じて選択されるとよいかと思います。
それでは、今週はここまで!
See you in next TT . . .
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