ARCserve HA のスイッチオーバー 「自動」と「手動」の違いとは?
こんにちは、ホテです。
今日はARCserve High Availability(HA)でよくご質問いただく、「自動スイッチオーバー」と「手動スイッチオーバー」についてそれぞれご説明いたします。
(自動スイッチオーバーと手動スイッチオーバー)
■自動スイッチオーバー
文字通り全自動で行われるスイッチオーバーです。
シナリオの実行中にはレプリカからマスタに対して定期的(初期値では30秒ごと)にポーリングが行われ、マスタからの応答がない場合にはマスタに異常があると判断します。
そして、前回ポーリングに成功してから300秒(これも初期値)の間ポーリングに成功しない場合は、自動的にスイッチオーバーが行われます。これを「自動スイッチオーバー」と呼びます
(ちなみに、マスタのOSが動いていてアプリケーションサービスが起動していないだけの場合には、サービスの開始を試行し、サービスが開始しない場合のみスイッチオーバーを行います。)
(マスタの応答がないとカウントダウンが行われていく)
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■手動スイッチオーバー(ワンクリックスイッチオーバー)
マネージャ画面でスイッチオーバーボタンをクリック(またはPowerShellでコマンド実行)して行うスイッチオーバーです。
「自動」と異なり管理者の判断でスイッチオーバーを行います。障害が起きた時だけではなくて、マスタサーバをメンテナンスで落とさなければいけない(だけどサーバは使い続けたい)という時にも役に立ちます。
「手動」と言いつつもやる事はスイッチオーバーボタンをクリックするだけなので、「ワンクリックスイッチオーバー」と呼ぶこともあります。
(スイッチオーバーボタンをクリックする)
■では、どう設定する?
(ARCserve HAのシナリオ作成画面)
HAシナリオを作成する際に上のような画面でスイッチオーバー方法を自動にするのか手動にするのか選択する画面があります。
どちらを選ぶかは運用ポリシーによりますが、ざっくり言うと「LANは自動」で「WANは手動」と覚えておいていただければ良いと思います。
特にマスタとレプリカがWANをまたいで別拠点にある状態で自動スイッチオーバーを選択しないようにご注意ください。WAN環境だとネットワークが原因で前述したポーリングが失敗してしまい、マスタサーバが壊れている訳ではないのにスイッチオーバーが行われてしまう、という問題が起きてしまう事があります。
そういった事が起きないように、WAN環境では手動スイッチオーバーを選択しておき、障害が起きた際には管理者の判断でスイッチオーバーしていただくのが安全です。
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