ARCserve RHA r16.5 SP1登場!エイリアスを使って簡単切り替え(後編)
マサオミです。
今週のTech Tuesdayを始めたいと思います。
前回、DNSのエイリアス(CNAME) レコードを利用した切り替え方法についてご紹介しましたが、
今回はDNSサーバがないお客様でも利用できる「コンピュータ エイリアスの切り替え」を
ご紹介いたします。
ご存知の方も多いかと思いますが、Windowsはレジストリを操作することで
複数のコンピュータ名(NetBIOS名)を持たせることができます。
従来からある「コンピュータ名の切り替え」でも「コンピュータ名のエイリアスを使用」オプションで
NetBIOS名のエイリアスを利用した切り替えをしていましたが、
SP1の「コンピュータ エイリアスの切り替え」では
予めマスタサーバに追加しておいたNetBIOS名のエイリアスを、
スイッチオーバー時に複製先に追加することで切り替えを実現します。
複数のコンピュータ名を付ける方法や仕組みについては
@IT様の記事でも解説されていますのでご参照ください。
@IT:Windows TIPS -- Tips:システム移行などのために複数のコンピュータ名を付ける http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/373mltname/mltname.html
■ NetBIOS名のエイリアスの登録
まず、マスタサーバにNetBIOS名のエイリアスを登録しましょう。
レジストリの以下のキーに値を追加します。
| 項目 | 設定 |
| キー | HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanServer\Parameters |
| 名前(値) | OptionalNames |
| 種類 | 文字列値(REG_SZ) または 複数行文字列値(REG_MULTI_SZ) |
| データ | コンピュータ名表す文字列。複数定義する場合は、REG_MULTI_SZにして、各行に1つずつコンピュータ名を記述 |
今回はせっかくなので複数行文字列値にして、「FileServer1」と「FileServer2」という
エイリアスを登録してみました。 ![]()
登録後のイメージはこんな感じです。
登録が終わったら「Server」サービスを再起動します。
ここまでできると、他のコンピュータからエイリアスに対してもPingが通るようになるはずです。
またこれまで実コンピュータ名を使ってUNCパスを指定していたと思いますが、
エイリアスに置き換えることもできるようになります。
下記例では「\\FileServer1\第1ソリューション営業部」と
「\\FileServer2\第1ソリューション営業部」に
それぞれアクセスしています。どちらも向かう先は一緒ですので
同じ内容が表示されているのがお分かりいただけるかと思います。
(元々の共有パスは「\\MASTER\第1ソリューション営業部」)
(FileServer1とFileServer2で同じ「第1ソリューション営業部」共有フォルダにアクセスした例)
アクセスができない場合、NetBIOSのキャッシュが残っているかもしれないので、
nbtstat –R コマンドでキャッシュをクリアしてみてください。
■ HAシナリオの作成
さて、エイリアスの登録とアクセスが確認できたらシナリオを作ります。
作り方は前回と全く同じです。[コンピュータ エイリアスの切り替え]を「オン」にすると、
OptionalNamesで登録したエイリアスが自動的に取得されます。
なお、Workgroup環境で利用している場合にはアクセス権の複製も必要ですので、
[シナリオのプロパティ]以下、[レプリケーション] - [オプション] - [ACLのレプリケート] -
[ローカル アカウント名の保存]を「オン」にしてください。
このオプションの詳細・使い方については以下の資料か当ブログの記事をご参照ください。
■ ARCserve RHAでローカルアカウントのACLをレプリケーションする方法
https://www.arcserve.com/sites/default/files/2024-01/asrha-wg-acl-replication.pdf
※リンクをUpdate(2024/01/26)■ ARCserve RHA r16 SP2 新機能 ~ワークグループ環境でのアクセス権(ACL)の複製 (1/2) ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2012/09/arcserve-rha-r1.html
シナリオが完成したら実行し、レプリケーション処理に入ってからスイッチオーバーを実行してみましょう。
切り替え後、レプリカのレジストリを確認するとOptionalNamesが追加され、
エイリアスが登録されていることが分かります。
また、前回と同様、実コンピュータ名の変更は行っていないので、
サーバの再起動は行われません。
いかがですか?これまでハードルが高いと考えていて
利用することをためらっていた方も、これであれば簡単に
切り替えまでできるのではないでしょうか。
より使いやすくなったARCserve HAを是非ご活用ください!
それでは、今週はここまで。
See you in next TT . . .
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