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2014年11月 7日 (金)

Hyper-V仮想マシンのエージェントレス バックアップ、2つの方法。

Arcserve UDP の特徴の1つは、仮想マシンに Arcserve UDP Agent をインストールせずエージェントレスでバックアップが行えるという点です。

この Arcserve UDP のエージェントレス バックアップですが、Hyper-V 仮想マシンについては 2つの方法があります。

 

■ Hyper-V 仮想マシンの「簡易エージェントレス バックアップ」

1つは、旧製品の Arcserve D2D Advanced Edtion と同様に Hyper-V VSS Writer を使った「簡易エージェントレスバックアップ」です。

Arcserve UDP Agent(Windows) を Hyper-V ホストに導入し、仮想マシンごとバックアップする方法になります。仮想マシンへはエージェントの導入は不要です。

Arcserve UDP の特長である継続的な増分バックアップも有効で、スナップショット感覚で日々のバックアップを外部の NAS やバックアップ サーバに取得できます。また、VSS を使っているので、仮想マシンを動かしながらオンラインでバックアップすることが可能です。

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設定方法も名前の通り簡単で、Arcserve UDP Agent(Windows) で Hyper-V ホストを丸ごとバックアップするだけです。Hyper-V の構成がシンプルで、バックアップの設定も簡単に済ませたいという方に向いている方法です。

>> Microsoft HYPER-V 環境での Arcserve UDP エージェント(Windows)

 

■ Hyper-V 仮想マシンの「完全エージェントレス バックアップ」

もう1つの「完全エージェントレス バックアップ」はバックアップ プロキシ経由でのバックアップとなります。旧製品で言えば、VMware をエージェントレスでバックアップできた Arcserve Central Host-Based VM Backup のようなことが Hyper-V でもできると思ってください。つまり、エージェントレスでありながら、継続的な増分バックアップとファイル/アプリケーション単位のリストアを両立できます。

完全エージェントレス バックアップは、Hyper-V については Arcserve UDP v5.0 から対応しています。他に VMware vSphere と Nutanix AHV(※1)の仮想マシンのバックアップが可能です。

Arcserve UDP で通常言及している「エージェントレス バックアップ」はこちらの「完全エージェントレス バックアップ」のことになります。

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完全エージェントレス バックアップでは、仮想マシン単位でバックアップ対象を指定できます。そのため、重要度の低い仮想マシンはバックアップ対象から除外したり、逆に重要な仮想マシンは仮想スタンバイで別な基盤に即時復旧できるようにしておく、といったことができます。

さらに、仮想マシン内部のアプリケーションの整合性の取れたオンライン バックアップや仮想マシン内部のファイルのリストア、CSV(クラスタ共有ボリューム)や SMB 3.0(SOFS)上の仮想マシンのバックアップ(※2)、あとから追加された仮想マシンの自動検出/バックアップ(※3)、特定の仮想ディスクの除外設定(※3)などの高度な機能が使えます。

「完全」と言うだけあってできる事が多いので、どちらにするか迷ったら完全エージェントレスにしておくと良いでしょう。

完全エージェントレス バックアップを行うのに必要な Arcserve UDP コンソール(管理コンソール)とバックアップ プロキシは Hyper-V ホストと別に立てることも、Hyper-V ホストに兼任させることも可能です。

なお、上の図の中にある「Standard Edition」は Arcserve UDP v6.0 以降では廃止されました。Hyper-V 仮想マシンの完全エージェントレス バックアップを行う場合、Arcserve UDP Advanced Edition - Socket をご利用ください。

>> Arcserve UDP 機能紹介 ~ (7) 仮想マシンのエージェントレス バックアップ ~

 

■ 「完全エージェントレス」でも Hyper-V ホストのバックアップができます

先ほど、完全エージェントレス バックアップでは仮想マシン単位でバックアップ対象を選択すると書きましたが、Hyper-V ホストの保護も必要です。そのためには、Hyper-V ホストに Arcserve UDP Agent(Windows)を入れてバックアップしてください。

このとき、仮想マシンを格納しているボリュームをバックアップ対象から除外するのがポイントです。ホストを丸ごとバックアップすると「簡易エージェントレス」と「完全エージェントレス」の二重取りになってしまいます。

Hyper-V ホストのバックアップのために Arcserve UDP のライセンスを追加購入する必要はありません。仮想マシンのバックアップ用に購入した Arcserve UDP Advanced Edition - Socket で Hyper-V ホストのバックアップも行えます。

>> Arcserve UDP 7.0 よくある質問と回答 P.2

Q7. バックアップ対象が仮想マシンの場合はどのライセンスを購入すればいいですか?

仮想環境をバックアップされる場合は、ゲスト OS の数に関係なく、仮想ホストが利用している CPU ソケット数分のソケット ライセンスをお求めください。Microsoft Hyper-V 環境の場合には、管理 OS(ホスト OS)も同じライセンスでバックアップできます。

 

このように、Arcserve UDP では Hyper-V のエージェントレス バックアップが2つの方法でできるため、どっちのことを話題にしているかわかりにくいときがあります。そこで、Arcserve では便宜的に「簡易」と「完全」と呼んで区別をしています。

サポート等に問い合わせる際にどっちのエージェントレス バックアップについて話題にしているかを明確にするため、この「簡易」「完全」を使っていただくとスムーズに話が通じます。

 

+++

以上、Koichiがお伝えしました。

 

<関連記事>

仮想マシンをバックアップする2つの方法(エージェントベースとエージェントレス)

Hyper-V 仮想マシンをまるごと複製し、障害時には自動切り替え(仮想環境の二重化)

 

<Hyper-V エージェントレス バックアップ関連技術情報>

Hyper-V エージェントレス バックアップ - "この VM は現在ほかのアプリケーションによってバックアップ中のため、ジョブは VM を処理できませんでした。"

Hyper-V 仮想マシンのホストベース エージェントレス バックアップ ジョブが「Hyper-V 環境の初期化に失敗しました」のエラーで失敗する

復旧した Hyper-V の VM が UDP コンソールのノードで検出されなくなる

 


※1 Nutanix AHV 仮想マシンのエージェントレス バックアップは Arcserve UDP 7.0 以降で対応しています。

※2 CSV 上の仮想マシンのバックアップは Arcserve UDP 5.0 Update2 以降で、SMB 3.0 上の仮想マシンのバックアップは Arcserve UDP 6.5 Update1 以降で対応しています。

※3 Arcserve UDP v6.5 Update2 以降で利用できる機能です。

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