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2015年3月26日 (木)

Arcserve UDP 機能紹介 ~ (12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ) ~

こんにちは、ホテです。引き続き Arcserve UDP の機能紹介をしていきます。

今回でいったん Arcserve UDP v5の機能紹介は終わりです。お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。

連載しているうちに Update 2 や Update 3 が出てきてしまいました。。。(ーー;)

特に Update2 はメージャーバージョンに匹敵するくらい新機能が盛りだくさんなのですが、また、時間がかかってしまってもアレなので、取り急ぎこちらのまとめ資料でご紹介させてください。

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目次:    
1) 全体像とコンポーネントについて    
2) iSCSIボリュームのサポート    
3) 詳細スケジュール設定 (曜日指定)
4) 詳細スケジュール設定 (日・週・月次指定)
5) マージおよびカタログ作成の代行処理    
6) Windows / Linux、物理 / 仮想 を1つの画面で統合管理    
7) 仮想マシンのエージェントレス バックアップ (VMware編 / Hyper-V編)    
8) バックアップ設定のメニュー化    
9) イメージバックアップのテープ保管      
10) バックアップデータの重複排除    
11) バックアップデータの遠隔転送   
12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ) ← 本日はここ    
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【仮想スタンバイの長所は誰でも簡単に、迅速に復旧できること】

さて、本日は仮想マシンへの自動復旧(機能名: 仮想スタンバイ)についてご紹介したいと思います。

前回の記事でバックアップデータの遠隔転送についてご紹介しましたが、いざという時に誰がそのデータを使ってシステムをリストアするの?という問題があります。   

災害対策サイトは遠隔地にあるがゆえに、いざという時復旧作業に向かうのに時間がかかります。また、現地に復旧作業を行えるエンジニアを確保するのも大変です。

VSB_1

 

そこで活躍するのが Arcserve UDP の「仮想スタンバイ」です!Arcserve D2D では Virtual Standby という名前のオプション製品でしたが、 Arcserve UDP では標準機能として使えるようになりました。(※1

ARCserve RHA r16.5 新機能 ~ リモートサイトの仮想マシン自動起動で簡単災害対策 ~

 

仮想スタンバイでは、バックアップされたシステムをあらかじめ仮想マシンとして復旧しておきます。障害・災害時には仮想マシンの電源を入れるだけですぐにシステムが使えます。

この時行う操作は、起動する仮想マシンとスナップショットを選択して、起動ボタンをクリックするだけです。(操作画面をこの記事の後半で紹介します。)

シンプルな手順なので IT に詳しくない方でもミスなく行えます。IT 管理者の方が VPN で Arcserve UDP コンソールに接続して現地に行かずに VM を起動することもできます。

VSB_2

 

また、仮想スタンバイでは復旧時間を大幅に短縮できるのもメリットです。(※2

基本的なシステム復旧方法であるベアメタル復旧では、復旧するデータの量に比例して時間がかかります。一方、仮想スタンバイであれば、既に仮想マシンとして復旧済みなので、OS やアプリケーションが起動すればすぐにシステムを使い始められます。

Compare

 

 

【遠隔仮想スタンバイを設定してみる】

では、Arcserve UDP での遠隔仮想スタンバイの設定を見ていきましょう。方法は前回の記事で書いたバックアップデータの転送の設定の延長です。追加のタスクに「仮想スタンバイ」を指定します。

image

 

遠隔地に転送したバックアップデータを利用する場合にはソースに「タスク2: レプリケート のディスティネーション」を指定します。

image

 

復旧先となるハイパーバイザーとして VMware vSphere またはMicrosoft Hyper-V(※3)を指定し、仮想マシンのスペックを決めます。

image
(仮想ホストの指定)

 

ここで、保存先となるデータストア(フォルダ)やネットワークの割り当てもできます。

image
(仮想マシンのスペック指定)

 

仮想マシンを立ち上げる先のネットワーク セグメントが本番サーバがあったセグメントと異なれば当然ネットワークに接続することができません。その点も考慮し、あらかじめ仮想マシンに割り当てる IP アドレスの設定も行うことができるようになっています。

image

 

細かい調整まで効くようになっているので、いざという場合も慌てずに業務の再開ができるようになっています。スタンバイ先の IP アドレスの設定については、以下のサポート KB も出ているのでご利用の際にご覧ください。

仮想スタンバイの IP アドレス設定について

 

こうして作成したプランを保存して、バックアップ対象に配布し、バックアップを実行すると、指定した仮想ホストに仮想マシンが生成されます。実際に動いている動画が以下で公開されていますのでご参照ください。

Arcserve UDPで遠隔地に仮想スタンバイ サーバを作成

 

 

【障害・災害時の起動手順】

仮想マシンを起動する際は、Arcserve UDP コンソールから対象ノード(※4)を右クリックし、[スタンバイ VM]をクリックしてください。

image

 

その後、表示されるスナップショットの一覧画面からどの時点の状態で仮想マシンを立ち上げるかを選択し、[VMの電源をオンにする]をクリックすればスタンバイしていた仮想マシンが立ち上がります。障害・災害時にはたったこれだけの手順で、システムを復旧できるんです。

image 

 

なお、上の画像ではスナップショットが1つしかありませんが、送られてきたバックアップデータはスナップショットとして仮想マシンに追加されていき、必要な数だけ保存する事ができます。

 

 

【本番サイトの復旧手順】

仮想スタンバイには、元々運用していた本番サーバの復旧方法も備わっています。障害・災害時にスタンバイ VM を使ってシステムを運用していくと、新しいデータがスタンバイ VM 内に蓄積していきます。本番のサーバをベアメタル復旧する際にこの新しいデータを反映させる事ができます。

2

 

具体的な操作方法は以下の資料をご覧ください。

Arcserve Unified Data Protection 仮想スタンバイの構築と復旧ガイド
P.23 (PDF P.27) 「3. 仮想スタンバイ マシンからの復旧」参照

 

今回の記事のように遠隔地に仮想スタンバイしている場合は、WAN 経由でベアメタル復旧を行うのは難しいので、復旧先のサーバを一度災害対策サイトに持ち込んでベアメタル復旧を行います。または、スタンバイVMを災害対策サイト内でバックアップして、その復旧ポイントを逆向きに本番サイトに転送するという方法もあります。

 

バックアップからデータの転送、仮想スタンバイまで一通り全部行っても一番低価格の Advanced Edtion (※5)で利用することができます。  世の中には色々なソリューションが提供されておりますが、ここまで低価格で、しかも簡単に実現できるソリューションはなかなか無いと思います。

是非Arcserve UDPを使って現実的な災害対策を行ってください。

それでは、本日はここまで。

 

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[2016年8月12日追記]

仮想スタンバイと似た機能として、インスタントVM という機能が Arcserve UDP v6 で追加されました。仮想スタンバイよりもより手軽に使えるのが魅力の機能です。興味のある方は以下の記事もご覧ください。

インスタントVMと仮想スタンバイとの違い

Arcserve UDP v6 新機能紹介 ~ (2) 仮想マシンとして即時復旧 (インスタントVM) ~
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<関連記事>

Arcserve で実現する3つの高可用性ソリューションの比較と使い分け

 


※1 「仮想」スタンバイという名前ではありますが、バックアップ元のサーバは物理でもOKです。復旧先が仮想基盤を使うので、このような名前になっています。

※2 復旧時間を短縮したお客様の事例もあります。ぜひ以下の資料もご覧ください。
日本製鋼所 横浜製作所様:15分で起動可能なBCP体制を Arcserve UDP で確立

※3 Arcserve UDP v6.5 から 仮想スタンバイ先として Amazon EC2 を、Arcserve UDP v6.5 update2 から Microsoft Azure を、Arcserve UDP 7.0 から Nutanix AHV を新たにサポートするようになりました。

※4 Arcserve UDP 8.0 から複数のスタンバイ VM を同時に選択して起動できるようになりました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Arcserve UDP 8.0 新機能紹介(3):スタンバイVM / インスタントVMの複数同時起動

※5 この記事の投稿時には Advanced Edition の下位エディションとして Standard Edition というものがありましたが、Arcserve UDP v6 以降のバージョンでは廃止されています。バックアップデータの遠隔転送や仮想スタンバイを行うには、Advanced Edition (1年メンテナンス付、10万円)をお求めください。

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