Arcserve UDP 機能紹介 ~ (9) イメージバックアップのテープ保管 ~
こんにちは、ホテです。引き続き Arcserve UDP の機能紹介をしていきます。
--------------------------------------------
目次:
1) 全体像とコンポーネントについて
2) iSCSIボリュームのサポート
3) 詳細スケジュール設定 (曜日指定)
4) 詳細スケジュール設定 (日・週・月次指定)
5) マージおよびカタログ作成の代行処理
6) Windows / Linux、物理 / 仮想 を1つの画面で統合管理
7) 仮想マシンのエージェントレス バックアップ (VMware編 / Hyper-V編)
8) バックアップ設定のメニュー化
9) イメージバックアップのテープ保管 ← 本日はここ
10) バックアップデータの重複排除
11) バックアップデータの遠隔転送
12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ)
--------------------------------------------
本日はイメージバックアップのテープ保管についてご紹介します。
Arcserve UDP のイメージバックアップデータの保存先は基本的にはハードディスク(外付け HDD や NAS を含む)です。
しかし、アーカイブや災害対策の目的でテープへバックアップしたい、というお客様も多く、Arcserve D2D の時代から、Arcserve Backup と連携したテープへの二次バックアップ、いわゆる D2D2T(Disk to Disk to Tape)バックアップをサポートしていました。
メルマガコラム再掲:ARCserve BackupとD2Dで連携できるって知ってました?
Arcserve UDP でももちろんこの連携機能がご利用いただけますが、さらに、二次バックアップ用の Arcserve Backup を基本無料(!)でご利用いただけるようになりました。
ではどのように設定をしていくのか、画面を見ていきましょう。
テープへの二次バックアップをするためには、Arcserve Backup のバックアップマネージャを開き、ソースから「Arcserve UDP/D2D Agent for Windows」または「Arcserve UDP 復旧ポイントサーバ」のツリーを展開し、対象のサーバ(バックアップするイメージバックアップのソースとなるサーバ)を選択します。(※1)
復旧ポイントサーバ(RPS)を利用していない場合
復旧ポイントサーバ(RPS)を利用している場合
スケジュール設定なども Arcserve Backup で行います(※2)ので、Arcserve UDP 側で設定したスケジュールとのバランスを見て最適な時間を設定してください。細かい設定方法は Arcserve Backup のマニュアルに掲載されています。
------------------------
arcserve UDP 復旧ポイント サーバ からの arcserve UDP ノードのバックアップおよび回復
------------------------
なお、このイメージバックアップのテープ保管を行うためには、いくつか認識しておいていただきたいポイントや前提条件があります。
■ 1: Arcserve UDP と Arcserev Backup のバージョンを揃える(2019年11月22日追記)
Arcserve UDP と Arcserve Backup のバージョンは同時期にリリースされたもので揃える必要があります。例えば、Arcserve UDP 7.0 のバックアップ データをバックアップするには、Arcserve Backup 18.0 が必要です。
Arcserve UDP 7.0 注意/制限事項
36: UDP 7.0でバックアップしたデータをテープへの連携バックアップを行う場合、サポートする Arcserve Backup バージョンは 18.0 のみとなります。
■ 2: Arcserve Backup に登録するライセンスキーは「Arcserve Backup Tape Integration for Arcserve UDP」
Arcserve UDP の Standard / Advanced Editionを購入すると、「Arcserve Backup Tape Integration for Arcserve UDP」というライセンスキーが付いてきます。
このキーを Arcserve Backup のライセンス登録画面に入力すると、前の画面でご紹介したように Arcserve UDP のバックアップデータをバックアップ対象(ソース)とするバックアップが実行できるようになります。
■ 3: Arcserve Backup for Windows(本体)の持っている標準機能はすべて利用できる
この「Arcserve Backup for Arcserve UDP」は、バックアップソースが Arcserve UDP のバックアップデータに限定されるものの、その他の標準機能はすべて使えます。
例えば、一度 FSD に二次バックアップしたイメージバックアップデータをクラウドデバイスにマイグレーションする(三次バックアップする)こともできます。(ステージング領域の確保が必要ですが・・・)
ちなみに、標準機能以外のオプションやエージェントの機能を使いたい場合は、Arcserve UDP Premium / Premium Plus Edition をご購入ください。
また、Arcserve Backup を使用しますので、テープ装置は Arcserve Backup で認定されているものが使えます。詳しくはサポート ポータルの認定済みデバイス リスト(CDL:Certified Device List)をご確認ください。
■ 4: テープ装置のドライブ数に注意
上の「3」に関連しますが、バックアップ先のテープ装置のドライブが1つであれば Arcserve Backup 本体の標準機能のみでバックアップできます。
しかし、複数のドライブを持ったテープ装置を利用する場合は、Arcserve Backup の標準機能だけでは対応できないため、Arcserve UDP Premium Edition 以上のライセンスが必要です。
■ 5: Client Agent を使ってバックアップする場合も Arcserve UDP のイメージバックアップデータがソースならライセンス購入不要
Arcserve UDP 導入サーバと Arcserve Backup のバックアップサーバが分かれる場合、Arcserve Backup Client Agent for Windows を使って Arcserve UDP のイメージバックアップデータを取得する事になります。
この場合も Arcserve UDP のイメージバックアップデータをバックアップする設定をしている限りでは、Arcserve Backup Client Agent for Windows のライセンスを要求されません。
■ 6: Arcserve UDP のイメージバックアップデータはフルバックアップに合成されてテープにバックアップされる
最後に技術的な注意点を。
この連携機能ではテープ単体でもイメージバックアップのデータを取り出せるようにするため、最新の復旧ポイントをフルバックアップデータに合成してからテープに書いていくのが基本です。(※3)
増分バックアップを繰り返す一次バックアップに比べ、二次バックアップのデータは量が大きくなりますので、サイジングの際にご注意ください。(なお、合成のための一時領域を用意していただく必要はありません)
テープへのバックアップが再び注目されてきています。Arcserve UDP はこれまでの Arcserve Backup の機能も使いつつ、お客様に必要なデータ保護方法を提供します。
それでは、本日はここまで。
<関連記事>
Arcserve UDP アプライアンスでのテープへの二次バックアップ検証結果を記事にまとめています。テープ装置への接続方法やバックアップ速度の参考としてご覧ください。
※1 Arcserve Backup r17.5 SP1 から Arcserve UDP データ ストア単位でバックアップ対象を指定出来るようになり、バックアップ時間の短縮も期待できます。以下の記事にベンチマーク テストの結果も掲載しています。ぜひご覧ください。
Arcserve UDP:テープへの二次バックアップ時間を短縮する新機能
※2 Arcserve UDP v6 と Arcserve Backup r17 から Arcserve UDP のタスクの1つとしてテープへの二次バックアップを設定できるようになりました。詳しい説明はこちらをご覧ください。
Arcserve UDP v6 新機能紹介 ~ (11) テープへの二次バックアップの強化(「テープへのコピー」タスクの追加)
※3 Arcserve UDP 7.0 & Arcserve Backup 18.0 以降では、バックアップ対象として Arcserve UDP のデータストアを指定するという方法で、増分バックアップを組み合わせたスケジュールを組む事もできるようになりました。
Arcserve Backup 18.0 では以下のパッチ適用が必要です。
P00001594 | Arcserve UDP 復旧ポイントサーバ (RPS) のデータストア データのバックアップに関する修正と機能拡張について
« Arcserve UDPでオンラインバックアップは可能か? | トップページ | Arcserve UDP 機能紹介 ~ (10) バックアップデータの重複排除 ~ »
「技術情報」カテゴリの記事
- 実はランサムウェア対策にも有用?! 仮想スタンバイって凄い!(2024.09.06)
- Arcserve RHA での 「圧縮転送」 と 「圧縮属性のレプリケート」(2024.07.26)
- Arcserve RHA : XML 形式で取り出したレポート ファイルを Microsoft Edge で見る方法(2024.04.26)
- 超人気コンテンツの動画公開!! 「Arcserve UDP」と「Arcserve Backup」の違い(2024.01.12)
- Arcserve Backup チューンナップ/設定 シリーズ: テープバックアップのパフォーマンス向上(2023.10.27)
「Arcserve UDP」カテゴリの記事
« Arcserve UDPでオンラインバックアップは可能か? | トップページ | Arcserve UDP 機能紹介 ~ (10) バックアップデータの重複排除 ~ »
コメント