こんにちは、ホテです。
引き続き Arcserve UDP の機能紹介をしていきます。
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目次:
1) 全体像とコンポーネントについて
2) iSCSIボリュームのサポート
3) 詳細スケジュール設定 (曜日指定)
4) 詳細スケジュール設定 (日・週・月次指定)
5) マージおよびカタログ作成の代行処理
6) Windows / Linux、物理 / 仮想 を1つの画面で統合管理
7) 仮想マシンのエージェントレス バックアップ (VMware編 / Hyper-V編)
8) バックアップ設定のメニュー化
9) イメージバックアップのテープ保管
10) バックアップデータの重複排除
11) バックアップデータの遠隔転送 ← 本日はここ
12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ)
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災害に備えて復旧ポイント サーバ(RPS)間でバックアップ データを複製
本日は災害対策に使えるバックアップ データの遠隔転送についてご紹介します。
災害に備えてバックアップ データを遠隔地に複製しておきたいというご要件は昔からあります。しかし、インターネットや WAN 経由で大容量のデータを転送しようとすると、瞬断や遅延(レイテンシ)によりバックアップに時間がかかったり、バックアップが途中で失敗してしまうという課題があります。
<参考> VPNだと転送が遅い…という時に。マルチストリーミング機能で高速レプリケーション!
そこで、Arcserve UDP の前身の Arcserve D2D ではこの課題を解消するため、バックアップ データを Arcserve Replication で遠隔地に複製するという連携機能がありました。
Arcserve UDP ではこの機能を製品の標準機能に取り込み、Arcserve Replication を別途購入・導入する必要なく、復旧ポイントサーバ(RPS)間でバックアップデータを転送することができるようになっています(※1)。
単一のコンソールでバックアップから遠隔転送までの設定・管理ができるようになった!という点が今までとの最大の違いですが、それ以外にも以下の点で違いがあります。
① マージをそれぞれの RPS で行うので、転送されるデータ量が当社比で実質半減!
② 重複排除機能を利用して転送量をさらに削減できる!
③ 転送元と転送先でそれぞれ保存したい世代数を設定できる!
①について、これまでの連携機能では、Arcserve D2D のマージに伴うデータ変更を Arcserve Replication が複製していたため、実質、増分バックアップデータ 2 回分のトラフィックが WAN 経由で発生していました。
Arcserve UDP では遠隔地側の RPS でもマージ処理を行えるので、遠隔地に送りつけるデータは正味の増分バックアップデータ分だけで良くなりました(※2)。
②の重複排除については、前回ご紹介させていただいた通りです。専用のハードウェアやオプションを必要とせず、バックアップデータをより小さくする事ができます。
③もArcserve UDP のユニークな点です。手元はバックアップを 30 世代(1 ヶ月分)残すが、転送先はディスク容量を節約するため 5 世代(1 週間分)残す、といったこともでき、その逆も可能です。こうした柔軟な対応ができる背景で RPS が活躍しています。
このように、Arcserve UDP になってから大きく機能が強化されています。もちろん、Arcserve D2D と Arcserve Replication の組み合わせでできていたように、転送中に回線障害が発生しても途中から再送してくれる仕組みも健在です。WAN 経由でも安定してバックアップ データを複製することができます。