UDP 7300 アプライアンス:LTOへの二次バックアップを検証しました!
こんにちは、ホテです。
先日タンベルグデータ様にテープ オートローダーを拝借したので、検証の様子をご報告します。意外と(?)お問合せが多い、Arcserve UDP 7300 からテープへの二次バックアップを検証しました。(参考記事:Arcserve UDP 機能紹介 ~ (9) イメージバックアップのテープ保管 ~)
借りた機器は NEOs Storageloader LTO6 SASです。ちなみに、私はテープ装置をちゃんと触るのはこれが初めてで、楽しみながら検証させてもらいました。詳しい方からすると当たり前な事ばかりなのですが、この記事が私と同じようなテープ初心者の方にお役にたてば嬉しいです。
(左が Arcserve UDP 7300 で、右が NEOs Storageloader です)
【1. 物理的につなげる】
まず、物理的に Arcserve UDP 7300 と Storageloader をつなげます。このために、Arcserve UDP 7300 には SAS HBA を増設しています。特に難しい事もなく、家電感覚で簡単にセットアップできました。強いて言うとテープの入れ方が分からなかったくらい。コンソール操作で Storageloader 前面のスロットがカシャっと空くのですが、これもちゃんとマニュアル読む人には簡単なんだろうなぁ。(スロットの写真撮るの忘れた、、、)
(Arcserve UDP 7300の背面:青いVGAポートの上にSASポートが見えます)
※ 2017年6月から SAS HBA のモデルが変わり、コネクタ形状が SFF-8644 になっています。
(SASケーブル:コネクタ形状は両端とも mini SAS SFF8088です)
※ 2017年6月から SAS HBA のモデルが変わり、コネクタ形状が SFF-8644 になっています。
(SASケーブルをつなげた Arcserve UDP 7300)
※ 2017年6月から SAS HBA のモデルが変わり、コネクタ形状が SFF-8644 になっています。
(SASケーブルをつなげた Storageloader)
【2. Arcserve Backup の画面で Storageloarder を確認】
Arcserve UDP 7300 の中にインストールされた Arcserve Backup のマネージャを開いて、本当につながっているか確認します。(参考記事:UDP 7300 アプライアンス:Arcserve Backup が入ってます!?) 最初はデバイスが見えずちょっと焦ったのですが、、テープ エンジンを再起動したらバッチリ見えるようになりました。
(Arcserve Backup のデバイス管理画面)
【3. テープへの二次バックアップ】
いよいよ、バックアップです。あらかじめ Arcserve UDP 7300のデータ ストアにバックアップしておいた復旧ポイントをテープに二次バックアップします。これもつつがなく完了しました。実運用ではスケジュールの設定をする必要がありますが、テープにバックアップされるのはフル バックアップだけなのでそこまで難しい設定にはならないはず(※)。Arcserve Backup のスケジュール設定について知りたい方は、バックアップ スケジュールの考え方と設定例 という資料がかなり詳しくて役に立ちます。
※ Arcserve UDP 7.0 & Arcserve Backup 18.0 から、増分バックアップを組み合わせたスケジュールも組めるようになりました。
(Arcserve UDP の復旧ポイントを、バックアップ対象に選びます)
(バックアップ中)
(バックアップ完了!)
【4. テープからファイルをリストア】
Arcserve UDP の二次バックアップ機能では、リストアの時はテープから直接ファイルを戻す事ができます。もちろん今回はリストアも検証したのですが、画面のスクリーンショットを取るのを忘れてしまい、、、唯一残っていた完了画面を貼っておきます。
(バックアップは2段階ですが、ファイル リストアは1段階でできます)
(43個のファイルがリストアされたのが、お分かりいただけますでしょうか、、、)
【5. バックアップ速度について考察】
二次バックアップの速度(スループット)も記録しておきます。Arcserve UDP の一次バックアップ先である復旧ポイント サーバ(RPS)で、デデュプリケーション(重複排除)を無効にしたパターンと有効にしたパターンで測定しています。
Rawセッションの スループット |
ジョブ全体の スループット |
|
重複排除無効 | 5.15GB/分 | 3.39GB/分 |
重複排除有効 (ブロックサイズ16KB) |
4.63GB/分 | 3.29GB/分 |
重複排除有効 (ブロックサイズ4KB) |
4.15GB/分 | 2.40GB/分 |
※ スループットはバックアップ対象データやジョブの同時実行数などの環境条件によって変わります。このベンチマークは Arcsere UDP の重複排除の影響を比較する目的のもので、すべての環境でこの速度が出ることを保証するものではありません。
この表のブロックサイズというのはデータのブロックを切りだす時の単位で、この値が小さいほど重複排除がよく効きます。(参考記事:Arcserve UDP のバックアップ容量削減事例を詳しく解説!【後編】) この表では、下に行くほど重複排除の強度が高くなるのですが、その分小さいブロックをたくさん読み取る事になるので、二次バックアップのスループットは低下します。
Rawセッションのスループットというのは、Arcserve UDP の復旧ポイント(Rawセッション)をバックアップするときの速度を表します。Rawセッションのバックアップ後、ファイル単位のリストアに必要なカタログ情報をテープに書き込む時間がかかるので、ジョブ全体のスループットが落ちているように見えます。
(デフォルトではカタログ生成が有効になっています。)
今回ご紹介したのはテープへの二次バックアップなので、夜間のうちにバックアップを終わらせなければいけない、という事はあまりないと思いますが、時間を短縮する方法としては、重複排除やカタログ生成の見直しが有効そうです。
以上で今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
[2017年6月28日追記]
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タンベルグデータ様の方で、LTO-7のオートローダーや RDX ライブラリへの二次バックアップの検証結果をレポートにまとめています。ご興味のあるかたはぜひご覧ください。
arcserve UDP7300アプライアンス/NEOs StorageLoader LTO-7 + QuikStation8検証リポート
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[2017年7月11日追記]
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LTO-7 のオートローダーを借用して本記事と同様の検証を行いました。LTO-7 へのバックアップ速度も測定しています。
UDP アプライアンス : LTO7 へバックアップしました
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[2019年1月16日追記]
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Arcserve Backup r17.5 SP1 から Arcserve UDP データ ストア単位でバックアップ対象を指定出来るようになり、バックアップ時間の短縮も期待できます。
以下の記事にベンチマーク テストの結果も掲載しています。ぜひご覧ください。
Arcserve UDP:テープへの二次バックアップ時間を短縮する新機能
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