Arcserve UDP v6 新機能紹介 ~ (5) キャパシティ プラニング ツールでバックアップ サーバのサイジングをより正確に ~
本日は Arcserve UDP で重複排除機能を使いたい、という方にお勧めなキャパシティ プラニング ツールをご紹介します。
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目次:
1) 新バージョンのコンセプトとセミナーのご案内
2) 仮想マシンとして即時復旧 (インスタントVM)
3) Linux エージェントレス バックアップからのファイル リストア
4) Linux エージェントの機能強化
5) キャパシティ プラニング ツールでバックアップ サーバのサイジングをより正確に ← 本日はここ
6) かさばるデータの保管に使えるファイル コピー機能が進化
7) 管理コンソール初心者のための簡単設定ウィザード
8) Windowsイベント ログへの登録
9) PowerShell を使ったバックアップ/リストアの自動実行 【前編】
10) PowerShell を使ったバックアップ/リストアの自動実行 【後編】
11) テープへの二次バックアップの強化(「テープへのコピー」タスクの追加)
12) その他の新機能と機能改善
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Arcserve UDP の復旧ポイントサーバ(RPS)で重複排除を有効にした場合、重複排除率により必要なメモリやディスク容量が変わります。そこで、Arcserve ではバックアップ サーバのハードウェアを選定する上での参考値として、お客様やArcserve社内の事例をご紹介しています(参考記事:UDP 実測値、パフォーマンス測定値の資料)。
今回ご紹介する キャパシティ プラニング ツール では、参考値から一歩進んで、お客様自身のサーバのデータを調べる事で高い精度で重複排除率を推定します。しかも、実際にバックアップを行う訳ではないので、バックアップ先のディスクを用意する必要もありません。手軽に始めていただけるのがメリットです。
それではキャパシティ プラニング ツールでレポートを作る方法を見ていきましょう。
Step 1. まずはツールをダウンロード
キャパシティ プラニング ツールはこちらからダウンロードできます。zipファイルをダウンロードしたら、中のファイルをメモリやディスクに余裕のあるサーバにコピーしてください。構成図としては以下のような形です。
スキャン対象のサーバにキャパシティ プラニング ツールを入れてレポートを作っても良いですが、レポート作成にはそれなりに負荷がかかるので、できれば空いているサーバやPCで実行していただくのがお勧めです。キャパシティ プラニング ツール にはスキャンしたデータのハッシュ値をファイルとしてため込むので、スキャン対象データの 100分の1くらいのディスク容量が必要です。これ以外の細かい要件がマニュアル(英語)に書いてありますので読んでみてください。
Step 2. ノードを追加してデータをスキャンする
実行ファイル(ArcserveDeduplicationAssessment.exe)をクリックして、キャパシティ プランニング ツール の画面(英語)を開いたら、 Arcserve UDP でバックアップする見込みのサーバを追加します。[Add Node] ボタンをクリックしてスキャン対象サーバの認証情報を入力していきます。
ノードを追加したら、対象のノードを選択して [Scan Nodes] をクリックします。スキャン中は対象サーバに負荷がかかるので、業務中や他のソフトでバックアップしている時間帯は避けて実行してください。ちなみに、私のPCで試した時には 200GB のスキャンに 30分弱かかりました。
Step 3. レポートを作る
スキャンが完了したら、レポートを作成します。レポートに含める情報を選択して [Create Report] をクリックです。
Step 4. レポートを見る
レポートが作られたらまず目に入るのが [Estimated Hardware Requirements] というタブです。名前の通りハードウェアの必要要件を見積もるためのレポートです。 [Estimated Memory Requirements] が RPS に必要なメモリ容量(重複排除のハッシュ値の保存用)で、[Estimated Storage Requirements] の下の [Total data written to destination] がRPSのハードディスクに保存されるデータ量です。
パラメータをいくつか調整して [Calculate Estimated Hardware Requirements] ボタンをクリックすると必要なメモリ/ハードディスク容量が再計算されます。パラメータの値は後から何度でも変更できるので、色々試してみてください。以下、各パラメータについてご説明します。
Number of Recovery Point to Retain (保持する復旧ポイントの数)
復旧ポイントを何世代保持するか設定します。例えば日次バックアップで2週間分のバックアップデータが欲しいという事であれば「14」と入力します。
Data Changed per Recovery Point (復旧ポイントのデータ変更率)
前回のバックアップからの増分量をパーセンテージで指定します。デフォルト値は「5」%になっています。
Deduplication Block Size (重複排除ブロック サイズ)
以前の記事でもおなじみの重複排除ブロック サイズです。Arcserve UDP v6 からはデフォルト サイズが「16KB」に変更されているので、このツールでもまずは16KBにするのが良いかも。
Compression Type (圧縮タイプ)
Arcserve UDP では 重複排除したバックアップ データを更に圧縮します。ここはデフォルトのまま「Standard Compression(標準圧縮)」で良いと思います。
この他、[Scanned Volume Charts] タブを開くと、以下のようなグラフも見られます。これは初回のフル バックアップが重複排除でどれくらい容量が小さくなるか、をグラフにしたものです。ブロック サイズ変更の効果がどれだけあるのか視覚的に見る事ができます。(ただし、増分バックアップの世代は考慮に入れていないので、ハードウェアの容量を見積もるには最初の [Estimated Hardware Requirements] タブをご確認ください。)
いかがでしたか?無料でご利用いただけるので、これから導入を検討している方は是非試してみてください。
とはいえ、まったく初めての方には専門用語が分かりにくかったかもしれません。以下の記事も一緒に読んでいただくのがお勧めです。
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Arcserve UDP 機能紹介 ~ (1) 全体像とコンポーネントについて ~
Arcserve UDP 機能紹介 ~ (10) バックアップデータの重複排除 ~
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以上、ホテがお伝えしました。
<関連記事>
この記事で紹介したキャパシティ プラニング ツールは実データをもとに精度の高い計算ができますが、みなし値で良いので早く計算したいという方にはこんなツールや事例もあります。
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