無料の Arcserve UDP で PC をバックアップする ~ (5) 復旧用 DVD の作成
ここまで Arcserve UDP 無償版を使ってバックアップとファイルのリストアを見ていきました。
しかし、Arcserve UDP が一番活躍するのは「HDD が丸ごと飛んでしまった、、、」という場合のシステム復旧です。
そこで今回は、PC 全体のシステム復旧を行うのに必要な 「復旧用 DVD」 を作ります。(※1)
結構長いのですが、大事なので最後まで読んでくださいね!
<目次>
無料の Arcserve UDP で PC をバックアップする ~ (1) ダウンロード
無料の Arcserve UDP で PC をバックアップする ~ (2) インストール
無料の Arcserve UDP で PC をバックアップする ~ (3) バックアップ設定
無料の Arcserve UDP で PC をバックアップする ~ (4) ファイルの復旧
■ PC の全体復旧の仕組み
下の絵は Arcserve UDP を使った PC の全体復旧のイメージ図です。まず、PCが壊れてしまったら代わりのマシンを買うか、部品を交換する事になります。
新しい PC や交換した HDD/SSD にはデータが無い状態なので、次に、Arcserve UDP を使い PC をバックアップ時点まで 「ベアメタル復旧(BMR:Bare Metal Recovery)」 します。
聞きなれない言葉が出てきましたが、ベアメタル復旧とは OS が入っていない鉄の塊(Bare Metal)の状態の PC を一気に復旧するという意味の復旧方法です。
OS が入っていない PC では Arcserve UDP のようなアプリケーションを動かす事ができません。そこで、Windows PE(Windows Preinstallation Environment) という 起動環境を含んだ復旧用 DVDをあらかじめ作っておき、それをブートして Arcserve UDP を動かします。
■ Windows ADK のインストール
では復旧用 DVD を作っていきましょう。まず、PC のスタート メニューで [Arcserve] - [Arcserve UDP ブートキットの作成] を開きます。
ウィザードが立ち上がったら PC の Windows の種類を選びます。私の PC は Windows 10 なので、今回は一番上を選びます。
Windows 10 用の復旧用 DVD を作るには 「Windows ADK」 というものが PC にインストールされている必要があります。青字のリンクをクリックして、Windows ADK のインストーラーのダウンロードページを開きます。
Windows ADK のダウンロードページを開いたら、Windows ADK と Windows PE アドオンのインストーラをダウンロードします。ご利用中の Windows のバージョンに合ったものを選んでください。(※2)
ダウンロードしたインストーラのうち、まず「adksetup.exe」を実行して Deployment Tools をインストールします。インストール先を確認して [次へ] をクリックします。
使用状況データを Microsoft に送るかどうかを選択して、[次へ] をクリックします。
使用許諾契約を確認し [同意する] をクリックします。
「Deployment Tools」だけを選択して [インストール] をクリックします。
ADK Deployment Tools のインストールが終わったら [閉じる] をクリックしてウィザードを閉じます。
次に「adkwinpesetup.exe」を実行して Windows PE アドオンをインストールします。インストール先を確認して [Next] をクリックします。
使用状況データを Microsoft に送るかどうかを選択して、[Next] をクリックします。
Lisense Agreement を確認し [Accept] をクリックします。
すぐに [Install] をクリックしたいところですが、5.7GB あるのでモバイル ルーターやテザリングでつないでいる人は要注意です。。。
インストールが完了したら [Close] をクリックしてインストーラを閉じます。
■ 復旧用 DVD の作成
Windows ADK のインストールが終わったら、Arcserve UDP の ブートキット作成ウィザードに戻ります。今回は復旧用 DVD を作りたいので、[ブート可能 BMR ISO イメージの作成] を選んで [次へ]。
復旧用イメージのプラットフォームと保存先を選びます。デフォルトのままで問題ありません。
次に言語の選択。これもデフォルトのままで問題ないです
最後に、PC にインストールされたデバイス ドライバを復旧用 DVD に追加できます。[ローカル ドライバを含む] をクリックすると、PC にインストールされているドライバが表示されます。
ドライバがリストに表示されたら [作成] をクリックして、、、
しばらくすると ISO イメージが完成!
ISO イメージを右クリックし、[ディスクイメージの書き込み] を開いて DVD-R に焼いていきます。焼き終わったら中身が分かるようにマジックで「Arcserve UDP 復旧用 DVD」等と書いておくと良いです。
以上で復旧用 DVD の作成は完了です。ここまで大変お疲れ様でした。
次回はこの復旧用 DVD を使ってベアメタル復旧を行って参ります。
<関連記事>
復旧用メディアは使いまわせる?Arcserve UDP Agent for Windows 復旧用メディアに関するよくある質問と回答
※ 記事中の画像や手順を現時点で最新のものに差し替えました。(2020年4月9日)
※1 この記事とほとんど同じ手順で復旧用 USB メディアを作ることもできます。リモートワークで DVD メディアのないノート PC を使うケースだと、USB メディアの方が使い勝手が良いかもしれません。
※2 Windows 10 バージョン 2004 用 ADK には下記の不具合があります。Arcserve UDP 7.0 を利用する場合は 1903 用の ADK をご利用ください。Arcserve UDP 8.x 以降ではこの問題は起こりません。(2020年8月1日追記、2022年5月19日変更)
Windows ADK for Windows 10 バージョン 2004 を使用した復旧メディアでの BMR 実行後に OS が起動できない
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