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2016年9月27日 (火)

Arcserve Replication/HA の初回の同期を早く終わらせる方法

本日は WAN 越えで遠隔地にレプリケーションする際の、初回の同期時間を短くする方法についてお話しします。

なお、同期って何よ?という方はこちら↓   

「同期」と「レプリケーション」は別モノです!!

 

Arcserve Replication/High Availability の同期は、マスタとレプリカのファイルを比較し、違いのあったデータだけを転送する仕組みになっています。 

そのため、マスタとレプリカのデータの差が少なければ少ないほど同期は早く終わります。

以下のファイル レベル 同期のベンチマーク結果をご覧ください。「初期同期」と書いてあるのがレプリカが空の状態で行った同期の時間で、「差分同期」と書いてあるのがレプリカに9割方マスタと同じデータを保存した状態で行った同期の時間です。「差分同期」ではデータの転送に関わる時間が大幅に短縮されている事が分かります。

(ちなみに、この検証結果は arcserve.com のカタログセンターに公開されている 「Arcserve Replicationの13の現場技」 に全体が載っています。)

01_filelevelsync

02_filelevelsync

 

もう一つ、以下のベンチマーク結果もご覧ください。こちらはネットワークの速度だけを変えて同期の時間を測定しています。当たり前ですが、回線が細い方(100Mbps)が同期時間が長くなります。

同期時間の内訳をみると、回線速度の影響を大きく受けているのは「比較と転送」の時間です。転送時間は送るべきデータ量と帯域幅の割り算になるので、回線が細ければ細いほど時間がかかります。 

03_filelevelsync

04_filelevelsync

   

以上を踏まえて、WAN 越えでいきなり初回の同期を行うと、細い回線で全てのファイルを転送する事になり、膨大な時間がかかる事が予想されます。

そこで、この時間を短縮するために、初回の同期をあらかじめ LAN の中で済ませておく、という方法があります。手順は下の図の通りで、LAN の中で初回の同期が終わったらレプリカ サーバを遠隔拠点に運んでシナリオを再開するという流れです。シナリオ再開時には WAN 越しに同期が行われますが、転送されるのは差分だけなので短時間で同期が終わりレプリケーションが始まります。 

ただし、サーバの移動が必要になるので、N対1構成等レプリカ サーバが動かしにくいときには使えないのが弱点です。あと、WAN 越えという事で、レプリカ サーバの引っ越し後は IPアドレスの変更とシナリオの再設定が必要な場合もあります。(参考:ARCserve Replication インストール後のIPアドレス変更

05_syncoverwan

   

外付 HDD 等の物理媒体を使って、ネットワークを経由せずにデータをコピーしておくという方法もあります。この方法であれば、サーバを運ぶよりは敷居が低いです。クラウド事業者によっては、媒体の持ち込みサービスをやっているところもあるので、IaaS にレプリカ サーバを立てるという時にも使えます。

具体的なやり方として、レプリケーション対象がデータベースであれば、オフライン同期機能(参考:オフライン同期を使う!)を使うのが良いでしょう。ファイル サーバであれば、ファイルのコピーが終わった後にファイル レベル同期でシナリオを始めた方が早く終わるかもしれません。 

06_syncoverwan

   

また、これらの方法は初回の構築時だけではなく、マスタ サーバが全壊してしまった際の切り戻しでも役に立ちます。

 

以上、ホテがお伝えしました。

 

[2017年10月3日追記]
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同期関連では以下の記事もあわせてお読みください。

Arcserve Replication/HA:同期しないでサーバを再起動したい ~ ホスト メンテナンス機能

Arcserve Replication/HA:2回目以降の同期時間に影響するもの

Arcserve Replication/HA : 9 TB(300万 ファイル)の同期時間を測定しました! (2018年6月26日追記)

Arcserve Replication/HA : シナリオの並列実行で同期時間を短縮する (2018年6月26日追記)

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