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2016年10月11日 (火)

Arcserve Replication/HA : 2回目以降の同期時間に影響するもの

Arcserve Replication/High Availability で大容量のサーバをレプリケーションする上で気になるのが「同期」にどれだけの時間がかかるかです。

「同期」は「レプリケーション」の前処理で、複製元(マスタ)と複製先(レプリカ)のデータを揃えておくために、シナリオを開始する際に必ず行われます(参考:「同期」と「レプリケーション」は別モノです!!)。これが終わらない事にはレプリケーションが始まらないので、早く終わるに越した事はありません。

 

■ 同期の仕組み

同期は大まかに以下のステップで行われます。マスタとレプリカの差異を比較して違いのあったデータだけを送るので、レプリケーション運用が始まってからの2回目以降の同期ではデータの転送に時間がかかる事はなく、マスタとレプリカの差異を検出するだけで終わります。

<ファイルレベル同期の流れ>   

1) マスタとレプリカのファイル/フォルダをスキャン

2) マスタとレプリカのファイル/フォルダを比較   

3) 2) で違いのあったファイルをマスタからレプリカに転送

 

■ 2回目以降のファイルレベル同期の時間は「ファイル+フォルダの数」に比例

このように同期ではマスタとレプリカのファイル/フォルダをスキャンして比較をするので、対象のファイル/フォルダの数が多ければ多いほど時間がかかります。忘れがちなのがフォルダの数で、一般的なファイルサーバではファイルだけではなくフォルダの数も多く、同期時間を長引かせる原因になっている事があります。 

 

■ 2回目以降のファイルレベル同期の時間は「ファイル/フォルダの平均パス長(バイト数)」に比例

また、同期は対象のファイル/フォルダのパス長が長ければ長いほど時間がかかります。パス長が「バイト数」なのも注意です。例えば半角で「D:\123\456\789.txt」というファイルより、全角で「D:\123\456\789.txt」の方が時間がかかります。 

 

■ シナリオを分けて実行すると同期時間が短くなることがある 

下の例のように、シナリオを複数に分割して実行すると同期が並列で行われ、結果として全体の同期時間が短くなることがあります。あまり細かく分割しても効果に限りがあるので、実環境で最適な設定を試してみてください。

<例:シナリオを3つに分割>   

シナリオ1(D:\Dir1)   

シナリオ2(D:\Dir2)

シナリオ3(D:\Dir3)

シナリオを 3 並列で実行して同期時間を測定した結果を公開しています。(2018年6月26日追記)

 

■ 同居するアンチウィルス ソフトが同期時間に影響する事もある

アンチウィルス ソフトのリアルタイム スキャンが同期を長引かせる事があります。ソフトによって影響があるものとないものがあるので、これも実際にお使いのソフトで試してみてください。 セキュリティに関わる事なので、なかなか止めるのも難しいところですが、実際に同期の時だけアンチウィルスのサービスを停止している、という話もあります。 

 

■ 関連記事 

今回は特に2回目以降のファイルレベル同期についてお話しましたが、以前の記事で初回の同期時間を短縮する方法同期を行わずに済ませる方法も紹介していますのであわせてお読みください。

   

以上、ホテがお伝えしました。

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