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2018年10月26日 (金)

Arcserve UDP : バックアップ データ複製方法のメリット/デメリット比較

3-2-1 ルール(※1)と言われるように、バックアップ データ自体も破損に備えてコピーを取っておくのが大事です。Arcserve UDP でもこの点を重視しており、バックアップ データを複製する機能が4種類もあります!

これだけ似たような機能があると逆にどれを使えばよいのか迷ってしまうので、この記事ではそれぞれの長所/短所を説明します。

 
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<目次:バックアップ データの複製に使える4つの機能>

1. レプリケート
2. 復旧ポイントのコピー
3. ファイル コピー
4. テープへのコピー
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1. レプリケート

<長所>
・ほとんどすべての要件に対応

<短所>
・複製先に復旧ポイント サーバが必要

<説明>
復旧ポイント サーバ(以下 RPS)間でバックアップ データをレプリケーション(複製)します。増分データだけを転送するのでネットワークの負担が少なく、回線障害にも強いので、遠隔地の DR サイトにデータを複製するのに向いています。複製されたバックアップ データからは通常のリストアはもちろん、仮想スタンバイやインスタント VM を使って短時間で仮想マシンを立ち上げる事もできます。

唯一の弱点として、RPS のインストールが必要です。低価格の Windows Storage Server NAS では RPS の動作要件を満たさない事があり、その場合は Arcserve Replication のファイル サーバシナリオで Arcserve UDP のバックアップ データを複製することになります。なお、Arcserve UDP v6.5 からは、同一拠点内であれば1台の RPS でバックアップ データを複製することも可能になりました。

Arcserve Replication のレプリケーション機能と区別するため、「バックアップ データの転送」や「RPS 間のレプリケーション」のように呼ぶこともあります。

<参考記事>
Arcserve UDP 機能紹介 ~ (11) バックアップデータの遠隔転送 ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2015/03/arcserve-udp-11.html

Arcserve UDP 機能紹介 ~ (12) 仮想マシンへの自動復旧(仮想スタンバイ) ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2015/03/arcserve-udp-12.html

UDP v6.5からは1台の復旧ポイントサーバだけで「復旧ポイントのレプリケート」を実現できます!
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2017/12/udp-v651-7b6a.html

 

2. 復旧ポイントのコピー

<長所>
・コピーした復旧ポイントはベアメタル復旧やファイル単位リストアに使用できる
・手動でも手軽にコピーできる

<短所>
・毎回フルバックアップ相当の量のデータがコピーされる
・Linux エージェントのバックアップ データはコピーできない

<説明>
特定の復旧ポイントをフル バックアップ データに変換し、Windows 共有フォルダやクラウド ストレージにコピーします。コピーされるのは復旧ポイントなので、ベアメタル復旧やファイル単位リストアが行えます。

複製先に RPS が不要で手軽に実行できる一方、毎回フルバックアップ相当の量のデータがコピーされるので、容量が大きいサーバのデータを毎日複製したい、という要件には向きません。復旧の優先度が高くないサーバの災害対策としてクラウドにバックアップ データを保管したり、PC のバックアップ データを年に1回外付け HDD にコピーしてオフライン保管したい、というような使い方が向いています。

<参考記事>
ARCserve D2D : バックアップデータをコピーする
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2014/03/arcserve-d2d-e5.html

UDP v6.5では、クラウドストレージへバックアップデータを複製して冗長化を図れます
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2017/11/udp-v65-6766.html

Arcserve UDP コンソールで復旧ポイントのコピーを使う
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2019/11/post-6be880.html

 

3. ファイルコピー

<長所>
・安価なストレージに増分データのみをコピーできる

<短所>
・ファイル単位のリストアしかできない
・Linux エージェントや仮想マシンのエージェントレス バックアップのバックアップ データはコピーできない

<説明>
Arcserve UDP のバックアップ データからファイルのリストアに必要なデータだけを抽出して Windows 共有フォルダやクラウド ストレージにコピーします。

復旧ポイントのコピーと異なりベアメタル復旧を行う事が出来ないので、システム復旧の重要性が高くないサーバや PC の安価なバックアップ/アーカイブとして、割り切って使っていただく必要があります。ログや画像などかさばるデータを長期間保管したい、という要件に向いています。

<参考記事>
Arcserve UDP v6 新機能紹介 ~ (6) かさばるデータの保管に使えるファイル コピー機能が進化 ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2016/05/arcserve-udp--1.html

『クラウド ストレージへのファイルコピー/アーカイブ設定ガイド』公開中です
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2017/02/post-48ac.html

月額 746円/TB でクラウド バックアップ!Arcserve UDP で Wasabi を活用!
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2020/02/post-59344c.html

 

4. テープへのコピー

<長所>
・唯一テープにバックアップできる

<短所>
・定期的にフルバックアップ相当の量のデータがコピーされる

<説明>
Arcserve Backup と連携して、Arcserve UDP のバックアップ データを二次バックアップします。名前の通りテープへの二次バックアップを主目的にした機能です。災害やランサムウェアへの対策として、バックアップ データをテープでオフライン保管したい、という要件に使えます。

フル バックアップ相当のデータがバックアップされますが、コピー中に負荷がかかるのは RPS などのバックアップ サーバとテープ装置だけなので、時間をかけてゆっくり実行してください。なお、Arcsereve UDP 7.0 & Arcserve Backup 18.0 以降では、Arcserve Backup マネージャでジョブを作る事で、増分バックアップを組み合わせたスケジュールを組む事も出来るようになりました。

テープへの二次バックアップは、設定をArcserve UDP コンソールで行うか、Arcserve Backup マネージャで行うかなどの違いでさらに細かく3種類に分かれます。詳しい設定方法は以下の参考記事をご覧ください。

<参考記事>
Arcserve UDP 機能紹介 ~ (9) イメージバックアップのテープ保管 ~
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2015/03/arcserve-udp-9-.html

Arcserve UDP v6 新機能紹介 ~ (11) テープへの二次バックアップの強化(「テープへのコピー」タスクの追加)
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2016/08/arcserve-udp-v6.html

Arcserve UDP:テープへの二次バックアップ時間を短縮する新機能
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2018/05/arcserve-udp-f2.html

 

以上、ホテがお伝えしました。


※1 バックアップ 3-2-1 ルールとは、「データはオリジナルを含め3つ持つ」、「2 種類のメディアでバックアップを保存する」、「バックアップのうち 1 つは違う場所で保管する」、という考え方です。バックアップ データの保存先を分けておくことで、災害や論理障害などの多様な障害からデータを守ることが出来ます。

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