Arcserve UDP によるクラウドでの仮想スタンバイを行う場合、クラウド側に復旧ポイントサーバ(RPS)を構築せず直接クラウドにスタンバイ VM を作成することができます。
Arcserve UDPではWindowsサーバをバックアップした後、Amazon EC2やMicrosoft Azure上に予めスタンバイVMを作成しておき、障害発生時にスタンバイVMを起動するだけで短時間で業務を継続できます(仮想スタンバイ(VSB: Virtual Standby))。
この場合、Amazon EC2やMicrosoft Azure上にスタンバイVMを作成する方法としては、
(a)VSB クラウド プロキシ(VSB プロキシ)だけを使う方法
(b)復旧ポイントサーバ(RPS) 兼 VSB クラウド プロキシを使う方法
の2パターンが可能です。
※VSB クラウド プロキシとは、クラウド上でスタンバイVMを作成するサーバです。
RPS は WAN 経由で効率的にバックアップデータを転送・複製する役割を持ちます。しかし、転送時のパフォーマンスを度外視するのであれば、必ずしもクラウド側にRPSを構築しなければならないということではありません。下の図のように、クラウドコンピュータ上にRPSを立てないことも可能です。
(上図はUDP v6.5 ライセンスガイド P.26 から抜粋)
では、RPSの有無でどういった違いがあるのでしょうか?
2つの方法でパフォーマンスを検証した資料がありますのでご紹介します。
『Arcserve UDP/Backup クラウドへのバックアップ パフォーマンス検証レポート』
上記資料から結果の考察を抜粋します。
■バックアップ運用時のパフォーマンスは?
RPS経由での転送(検証2)は重複排除を行うことができるため、クラウド側にRPSを置かない検証1の構成と比較して、レプリケート+仮想スタンバイの合計時間は短縮されました。
■復旧時のパフォーマンスは?
クラウド側にRPS無し(検証1)、RPSあり(検証2)とも数分で起動できました。どちらも障害発生時にはごく短時間での業務再開が可能であることがわかりました。
■転送時の RPS 利用有無による違いは?
・クラウド側にRPSを置かないメリット
この構成では RPS を使用せずに直接クラウドにスタンバイ VM を作成しているため、クラウドに RPS データストアが不要な分、ストレージ使用量を抑えることができます。
・クラウド側にRPSを置かないデメリット
クラウドへの転送時に RPS を使用しないため、重複排除、転送失敗時のリトライ、暗号化しての転送は行われません。重複排除が効かないので、特に複数ノードの保護をしている環境においては、RPS 経由で転送する検証 2 に比べて転送時間が長くなる可能性があります。
■運用コストは?
・クラウド側にRPSを置かないメリット
クラウド上のストレージ使用量を抑えられる分、検証2(RPSを置く)と比較してコストを削減できます。なお、スタンバイ VM は通常時には電源をオフにしておけるので、インスタンスの利用コストを抑えることが可能です。
具体的な測定結果(時間)も載せていますので上記資料を是非ご覧ください。
また、Amazon EC2やMicrosoft Azureでの仮想スタンバイ方法の詳細は、下記マニュアルをご覧ください。
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以上、Koichiがお伝えしました。
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