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2020年1月28日 (火)

Arcserve UDP コンソールをバックアップする 3 つの方法

Arcserve UDP で複数のサーバや PC をまとめてバックアップしたり、仮想マシンのエージェントレス バックアップを行う際に必要なコンポーネントに「Arcserve UDP コンソール」があります。Arcserve UDP コンソールが長期間ダウンしているとバックアップ自体が止まってしまうこともあり、障害が起きても速やかに復旧できるようにしておく必要があります。

そこで、今日はこの Arcserve UDP コンソール自体をバックアップする方法を 3 つ紹介します。

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目次

方法1 : Arcserve UDP コンソール移行ツール(ConsoleMigration.exe)を使う

方法2 : Arcserve UDP Advanced Edition でバックアップする

方法3 : Arcserve Backup でバックアップする
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01_backup_udp_console

 

方法1 : Arcserve UDP コンソール移行ツール(ConsoleMigration.exe)を使う

もともと Arcserve UDP Appliance の設定を移行するために作られたのが Arcserve UDP コンソール移行ツールですが(*1)、Arcserve UDP v6.5 Update 2 からライセンス版の Arcserve UDP でも使えるようになりました。

コマンドを叩くと Arcserve UDP コンソールに登録されているノード(バックアップ対象サーバのこと)やプラン(バックアップなどの設定のこと)、ログやレポートが 1 つのバックアップ フォルダにまとめてエクスポートされます。このバックアップ フォルダを外付け HDD や NAS など Arcserve UDP コンソールの外にコピーしておき、障害が起きた際には、代わりの Arcserve UDP コンソールにこのバックアップ データをインポートする仕組みです。

詳しい使い方は以下のマニュアルをご覧ください。

Arcserve UDP コンソールの移行を実行する方法

※ 書き忘れていましたが、Arcserve UDP のライセンス キーも無くさずに控えておいてください。Arcserve UDP コンソールにバックアップ データをインポートした後、ライセンス キーを登録する作業があります。(2020年2月6日追記)

 

このツールの長所と短所はそれぞれ以下の通りです。

<長所>
追加のライセンス購入が不要で低コスト。決まったコマンドを定期的に実行するだけでバックアップできるので手間もさほどかからない。

<短所>
Arcserve UDP の設定以外はバックアップできないので、復旧作業として OS の再インストールや Windows Update の適用なども行わなければいけない。

 

 

方法2 : Arcserve UDP Advanced Edition でバックアップする

Arcserve UDP を使っている人には、この方法が一番分かりやすくて確実だと思います。Arcserve UDP コンソールは Windows Server にインストールされるので、そのサーバを丸ごと Arcserve UDP でバックアップし、障害が起きたらおなじみのベアメタル復旧で復旧します。

必要なものは、Arcserve UDP コンソールが物理サーバで構成されているのであれば、Arcserve UDP Advanced Edition - Server が 1 ライセンス(*2)、それとバックアップ先の外付け HDD か NAS です。

注意してほしいのは、Arcserve UDP コンソールを復旧ポイント サーバ(以下、RPS)などのバックアップ先と兼任させる場合のボリュームの切り方です。Arcserve UDP コンソールのインストール前に、C ドライブとは別にバックアップデータ保存用のボリュームを切っておく必要があります。

Arcserve UDP では Arcserve UDP のバックアップ データが保存されているボリュームは自動的にバックアップ対象から除外する仕様になっています。そのため、もしバックアップ サーバのボリュームが C ドライブしかなければ、自分自身のバックアップが取れなくなってしまいます。

02_volume_configuration

 

また、デスティネーション(バックアップ先)の設定画面では下の画像のように [ローカル ディスクまたは共有フォルダ] を選んでください。Arcserve UDP コンソールや RPS のバックアップに限っては、バックアップ先に重複排除が有効な RPS のデータストアを指定するのは NG です。重複排除済みのバックアップ データを読み出すには RPS が動いている必要があるので、Arcserve UDP コンソールと RPS 両方がダウンしている状態だとリストアできなくなってしまいます。

03_destination_20200128163601

<長所>
システム領域も含めて丸ごとバックアップできるので復旧が簡単。プランの管理も Arcserve UDP でまとめられる。

<短所>
ボリュームの切り方とバックアップ先の指定方法にやや注意が必要。

 

RPS を Arcserve UDP でベアメタル復旧する際の注意事項もあります。復旧の前にご覧ください。

復旧ポイント サーバをベア メタル復旧した場合のサービス動作について 

 

方法3 : Arcserve Backup でバックアップする

Arcserve Backup であれば Arcserve UDP とは別ソフトなので、Arcserve UDP のバックアップ データも含めて丸ごとバックアップできます。他の用途で Arcserve Backup に慣れている人には良いかもしれません。

Arcserve Backup の買い方はいろいろありますが、Arcserve UDP Premium Edition を買うのがシンプルでよいです。Arcserve Backup 本体や、Disaster Recovery Option、Agent for Open Files など、Arcserve UDP コンソールを丸ごとバックアップ/復旧するのに必要なライセンスが全てセットになっています。

参考:Arcserve UDP 7.0 ライセンス ガイド - [6] ファイルサーバと管理コンソール/RPSのバックアップ

ただし、Arcserve UDP のバックアップ領域もバックアップできるうえに、Arcserve UDP と違って定期的にフル バックアップが必要になるので、バックアップ データの容量はかさみがちです。

<長所>
Arcserve UDP の構成を考えずに丸ごとバックアップできる。バックアップ先は HDD や NAS に限らず、テープ(LTO)も使える。

<短所>
今回紹介した 3 つの方法の中では最も高価。バックアップ データの容量も大きい。

 

以上、ホテがお伝えしました。

 

<関連記事>

Arcserve UDP 機能紹介 ~ (1) 全体像とコンポーネントについて ~

 


*1 本来の、Arcserve UDP コンソールの設定を移行するツールとしての使い方は以下の記事で紹介しています。

Arcserve UDP Appliance を買い替えた後の設定方法

*2 なお、Arcserve UDP コンソールがプリインストールされている Arcserve UDP Appliance では自身のバックアップ用の Arcserve UDP Advanced Edition ライセンスがセットで提供されています。

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