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2020年8月 3日 (月)

Arcserve UDP Appliance にデータ ストアを追加するときの注意点

Arcserve UDP Appliance にはバックアップ データの管理をする復旧ポイント サーバ(RPS)と、そのデータの保管庫であるデータ ストアが最初からインストールされています。

基本的にはこのデータ ストアを使ってバックアップの運用を行いますが 、デフォルトとは別なデータ ストアを作りたい、というような事もあるかもしれません。

そこでこの記事では、Arcserve UDP Appliance に 2 個目のデータストアを追加する上での注意点を説明します。

01_add_data_store

 

なお、本来は RPS 内のデータ ストアは 1 つとすることをお勧めしています。まず以下の記事も読んで、本当にデータ ストアを追加する必要があるかを考え直してください。データ ストアが 1 つでも、複数のノードのバックアップを並行して行う事が可能です。

Arcserve UDP : データ ストアは 1 つでだいたい十分

 

注意点 1 : SSD モードにする

Arcserve UDP Appliance は重複排除に必要なハッシュを SSD に保存する前提で設計されています。そのため、新しく作るデータ ストアでは [ハッシュ デスティネーションは SSD(Solid State Drive)上にある] にチェックを入れて、[ハッシュ デスティネーション] のパスを Y ドライブ上のディレクトリ(フォルダ)にしてください。

このチェック ボックスにチェックが入った状態を「SSD モード」と呼んでおり、こうすることでメモリに展開されるハッシュの量を抑制することができます。もちろん、Arcserve UDP Appliance にデフォルトで作られるデータ ストアでもこの設定が有効になっています。

02_2ndds

 

もし、[ハッシュ デスティネーションは SSD(Solid State Drive)上にある] にチェックが入っていない(※1)と、すべてのハッシュがメモリに展開され、メモリ不足でデータ ストアが停止します(※2)。

この際のエラー メッセージの例が、以下の技術情報で解説されています。

復旧ポイント サーバ (RPS) 上で重複排除機能を利用時にデータ ストアが起動できない

 

注意点 2 : ハッシュ メモリの割り当ては控えめに

SSD モードにしたからといって、まったくメモリを使わなくなるわけではありません。SSD モードでもバックアップの速度を向上させるため、可能な限りハッシュをメモリに展開します。この上限値は [ハッシュ メモリの割り当て] でデータ ストアごとに設定されます。

例えば、Arcserve UDP Appliance 8200 のデフォルト データ ストア(1 個目のデータ ストア)では、以下の図のように、最大 12 GB(12,288 MB) のメモリをハッシュ用に使う設定になっています(※3)。

03_defaultds

 

もし、新しく 2 つ目に作るデータ ストアでも同じ設定にしてしまうと、1 つ目のデータ ストアと合計して 24 GB のメモリがハッシュ用に使われてしまいます。Arcserve UDP Appliance 8200 に搭載している物理メモリは 32 GB ですので、Windows や Arcserve UDP コンソール、RPS 自体が使うメモリ容量を考慮に入れると容量オーバーです。

そのため、2 つ目のデータ ストアを作る場合は、デフォルトのデータ ストアも含めて [ハッシュ メモリの割り当て] の値を小さく設定してください。

データストア毎の適切なハッシュ メモリの割り当て量は、バックアップ容量や、ブロック サイズ、ジョブの同時実行数などによって変わってきます。迷った場合は、まず、デフォルトのデータ ストアに割り当てられた 12 GB のハッシュ メモリを 6 GB ずつ 2 等分して、様子を見ながら調整していきましょう。

 

注意点 3 : 必要ないデータ ストアは作らない

Arcserve UDP のデータ ストアが複数必要になる場面はあまりありません。むしろ、データ ストアを複数作ると、重複排除の効率が落ちたり、ジョブの同時実行数の制限が効かなくなったり、管理が煩雑になるといったデメリットの方が大きくなります。

繰り返しになりますが、データ ストアを複数作るという話が出た場合は、以下の記事を読んで、本当にデータ ストアを分ける必要があるのか改めて考えていただければと思います。

Arcserve UDP : データ ストアは 1 つでだいたい十分

 

以上、ホテがお伝えしました。


※1 この状態を「RAM モード」と呼びます。

※2 Arcserve UDP Appliance は RAM モードで動作するように設計されていません。例えば、Arcserve UDP Appliance 8200 に 10 TB のバックアップ データを保存したとすると、ブロック サイズ 16 KB、 重複排除率 50%、圧縮率 30% の想定で、28.4 GB のハッシュが作成されます。Arcserve UDP Appliance 8200 の物理メモリは 32 GB なので、RAM モードにするとハッシュだけで物理メモリがほぼ使い切られてしまいます。

※3 なお、Arcserve UDP Appliance 8400 などの 2U モデルでは物理メモリを 64 GB 搭載しており、デフォルトでは 28 GB(28,672 MB)がハッシュ メモリとして割り当てられます。

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