Arcserve UDPとArcserve BackupやArcserve RHAとの違いはArcserve UDPの『Edition別機能表』を見ると一目瞭然です。
Arcserve UDPとArcserve Backupの違いは?という質問の背景には「どちらを選んだらよいか?」と悩んでいる状況が考えられます。
この悩みを解消するお薦めの方法は、まずArcserve UDP自体でバックアップ要件を満たしているかを検討し、満たさない場合にはArcserve Backupで実現できるかを検討するという方法です。
どういうことかというと、
サーバのバックアップに関してArcserve UDP は現在3つのEdition (Advanced、Premium、Premium Plus)を提供しています。
このうち上位のPremiumやPremium Plus Editionは、Arcserve UDPでは対応していない機能を Arcserve Backup や Arcserve Replicaion/High Availabilityを利用することで実現しています(下記表の「利用コンポーネント」欄にどの製品を使っているか分かります)。
つまり、
Arcserve UDPの『Edition別機能表』でArcserve UDPで利用できる機能であればArcserve UDP 自体で十分でArcserve Backupを選択する必要はない、ということになります。
逆に、『Edition別機能表』のPremium Editionの利用コンポーネント「Arcserve Backup」で実現する機能を利用する場合はArcserve UDPそのものの機能でなく付属のArcserve Backupを利用しますので、Arcserve Backup単体を購入するということも選択肢の一つになります。
もちろんArcserve UDP Premium Editionを購入しArcserve Backupを利用するという選択もあります。
このように、
「Arcserve UDPを選ぶべきか、それともArcserve Backupか」という場合は『Edition別機能表』を参照し、まず「利用コンポーネント」のArcserve UDPそのものでバックアップ要件を満たしているかを確認し、満たさない場合にArcserve Backupでのバックアップを検討するというのが効率的でお薦めの方法となります。
Arcserve UDP 7.0の『Edition別機能表』はこちらになります(※1)。リンク先資料をご覧ください。
>> Arcserve UDP 7.0 ライセンスガイド P.4ーEdition別機能表
併せて、以下に各Editionで実現する機能をまとめました。
(1) Arcserve UDP Advanced Editionで利用できる機能はこちらです。
もちろん上位EditionのPremium、Premium Plusでも利用できます。
機能 | Advanced (*) | Premium | Premium Plus | 利用コンポーネント |
イメージ バックアップ / 共有フォルダ (CIFS/NFS) のバックアップ | 〇 | 〇 | 〇 | Arcserve UDP |
重複排除 | 〇 | 〇 | 〇 | |
統合管理 | 〇 | 〇 | 〇 | |
バックアップデータの転送 | 〇 | 〇 | 〇 | |
仮想マシンのエージェントレスバックアップ | 〇 | 〇 | 〇 | |
仮想スタンバイ | 〇 | 〇 | 〇 | |
インスタントVM | 〇 | 〇 | 〇 | |
バックアップデータのテープ保管 | 〇 | 〇 | 〇 | |
VSSライタを利用したオンラインバックアップ | 〇 | 〇 | 〇 |
* Arcserve UDP 7.0 Advanced Edition for Nutanix AHV もAdvanced Editionと同範囲の機能を利用できます。
(2)Arcserve UDP Premium Edition以上で利用できる機能は以下の通りです。
(〇が利用できる機能で×が利用できない機能です)
機能 | Advanced | Premium | Premium Plus | 利用コンポーネント |
アシュアードリカバリとSLAレポート(※2) | × | 〇 | 〇 | Arcserve UDP |
ハードウェアスナップショット対応 (NetApp / HPE 3PAR / NIMBLE) | × | 〇 | 〇 | |
役割ベースの管理 | × | 〇 | 〇 | |
Oracle RMAN 方式/ Dominoのオンラインバックアップ | × | 〇 | 〇 | Arcserve Backup |
Arcserve Backup すべての機能 / 全エージェント/全オプションの利用 | × | 〇 | 〇 | |
Arcserve Replication ファイル サーバのデータ複製 | × | 〇 | 〇 | Arcserve Repliication for file server |
「Oracle RMAN 方式/ Dominoのオンラインバックアップ」は比較的多い要件ですが、Arcserve UDPにない機能(※3)でArcserve Backupを利用する必要のある機能です。
その他、Arcserve UDPではなくArcserve Backupが必要となる機能は「ブログ記事:どういうときにArcserve UDPではなくArcserve Backup を使うの?」をご覧ください。
(3)最上位のArcserve UDP Premium Plus Editionで利用できる機能は以下の通りです。
機能 | Advanced | Premium | Premium Plus | Premium Plus利用コンポーネント |
Arcserve Replication アプリケーション サーバのデータ複製 | × | × | 〇 | Arcserve Replication |
Arcserve High Availability ファイル / アプリケーション サーバの自動切替 | × | × | 〇 | Arcserve High Availability |
Arcserve Backupの機能はPremium Editionで全て使えますのでPremum Plusを選択するのはArcserve Replicaionでアプリケーションサーバのデータ複製を行う要件がある場合やファイルやアプリケーションサーバの自動切替が要件の場合になります。
+++
以上、Koichiがお伝えしました。
<関連記事>
「Arcserve Backup」と「Arcserve UDP」選定のポイントとは?
※1 最新バージョンのライセンス ガイドは Arcserve カタログ センターに掲載されています。
※2 Arcserve UDP 9.0 から Advanced Edition で利用できるようになりました。
※3 Oracle RMAN と連携したバックアップは Arcserve UDP 9.0 から Arcserve UDP の機能で行えるようになりました(ただし、Premium Edition のライセンスが必要)。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Arcserve UDP 9.0 新機能紹介(6):Oracle RMAN 対応
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