Arcserve UDPでのレプリケート元とレプリケート先の重複排除ブロックサイズは違っていても大丈夫?
Arcserve UDP のレプリケート機能はご存じでしょうか?Arcserve UDP レプリケートは、遠隔地にバックアップデータを転送することができるので、災害対策にピッタリな機能です。
以下の図は、バックアップデータ レプリケートのイメージです。
復旧ポイント サーバ(以下、RPS)間でバックアップデータの転送を行うことで、本番サイトに障害が発生しても災害時稼働サイトにバックアップ データがあるので、このデータを利用して復旧が可能になります。
これに関連して、最近よくお客様に聞かれるのは、「レプリケート元とレプリケート先の重複排除ブロックサイズが違っていても大丈夫ですか?」というものです。
■ ブロックサイズが異なるデータストア間でレプリケートを行う仕組み
Arcserve UDP では、例えば、レプリケート元のデータストアのブロックサイズが 4KB で、レプリケート先のデータストアのブロックサイズが16KB という構成も組むことができます。
単にデータを複製(レプリケート)するだけだとブロックサイズは同じになってしまいそうですが、どうやってデータを転送しているのでしょうか?
ブロックサイズが異なる場合のレプリケートの処理は以下の流れになります。
① レプリケート先のデータストア ブロックサイズ(今回は 16KB)に合わせて、レプリケート元の RPS でハッシュ値を再計算。
② 「再計算されたハッシュ値+ブロックデータの位置情報」のみを、レプリケート先の RPS に送信。
③ レプリケート先の RPS で、同一ハッシュ値が存在するかをチェック。
④ 情報の送信
A. 同一のハッシュデータを保持するブロック情報があれば、インデックスのみを生成し、位置情報は破棄
B. 同一のハッシュデータが存在しなければ、送信先のブロック位置情報に基づき、データ転送を要求。レプリケート元からブロックデータが送信され、レプリケート先にインデックス、ハッシュと共に保管。
上記の処理を行っているので、ブロックサイズが異なるデータストア間でもレプリケートできるのです。
例えば、オンプレミスのバックアップを Arcserve UDP Cloud Hybrid に転送することになった場合に以下のような構成が考えられますが、皆様問題なくご利用いただいています。
オンプレミス:4KB ブロックサイズのデータストア
Arcserve UDP Cloud Hybrid 東日本リージョン:16KB ブロックサイズのデータストア
■ それでもブロックサイズを揃えるのをおすすめする理由
このように、ブロックサイズが異なっていてもレプリケートは行えますが、ブロックサイズが揃っている方が良い点もあります。
- レプリケート元、レプリケート先のブロックサイズが揃っている方が、再計算の必要がなく、RPS の負担が少なくなる
- 転送先に保存される容量がわかりやすいので、サーバ要件の見積もりがしやすい。
以上を踏まえ、これから遠隔地レプリケートを構成する場合は、データストアのブロックサイズを揃えておくことをおすすめします。
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Arcserve UDP 機能紹介 ~ (11) バックアップデータの遠隔転送 ~
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