Arcserve UDP 8.0 新機能紹介(3):スタンバイVM / インスタントVMの複数同時起動
Arcserve UDP 8.0 新機能紹介の3回目となります。今回は、バックアップ対象機器で障害が発生し、直ぐに業務継続したいときに役立つ、仮想スタンバイ、インスタントVM の機能拡張の紹介です。
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[目次]
1)バックアップ/リストア用ネットワーク指定の強化
2)エージェント(Windows)設定のエクスポート/インポート
3)スタンバイVM/インスタントVMの複数同時起動(←本日はここ)
4)異なるサイトからの逆向きのレプリケーション
5)Microsoft 365 のバックアップ/リストア強化
6)ランサムウェア対応の強化
7)その他の新機能と機能改善
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スタンバイVM/インスタントVMの機能の違い
Arcserve UDP をよくご存じの方も スタンバイVMと聞いて、仮想スタンバイの間違いでは?と思った方もいるかもしれません。
スタンバイVM は、バックアップタスク実行後、対応するハイパーバイザー上で仮想スタンバイタスクによって作成された仮想マシンのことを指します。有事の際は、このスタンバイ VM の電源を ON にするだけで、バックアップデータから作成された代替仮想マシンを利用して、業務継続ができる機能です。
仮想スタンバイは、タスクの実行時に実体のある仮想マシンを作成します。増分バックアップは、取得時点の状態のスナップショットを作成し、世代として仮想マシンに登録します。
インスタントVM は、ハイパーバイザー上に仮想ディスクを作成することはなく、任意の復旧ポイントから仮想マシンを起動させる機能です。
有事の際の一時的な業務継続や、バックアップデータの正常性確認、SQL Server の Point in time リストアの確認にも利用できます。
Arcserve UDP Premium Edition 以上で利用できる アシュアードリカバリでは、このインスタントVM を使い OS 起動までしてバックアップデータの正常性確認を行い、管理者へ結果通知を自動で行ってくれるスグレモノです。継続増分バックアップの運用に不安をお持ちの方は、管理者のリストア確認作業を大幅に削減してくれる、アシュアードリカバリを是非ご検討下さい。
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Arcserve UDP 8.0 で新たにできるようになった事
先ずは、複数の スタンバイVM / インスタントVM を一括操作で起動できるようになりました。
これまでは、目的の仮想マシンを個別に選択して起動させる必要があったので、台数が多い環境では災害時の障害復旧に手間と時間がかかりました。、Arcserve UDP 8.0 からは複数のノードを選択し、仮想環境やネットワークの設定ができるので、作業の負担が軽くなり、復旧までの時間もさらに短くなっています。
また複数の選択されたノード一覧から、起動順と起動間隔を定義することもできるようになっています。
この機能の利用することで、以下のようなことが実現できます。
- 複数の代替仮想マシンの同時起動による仮想ホストの急激なリソース消費を抑えたい。
- 復旧先となる仮想ホスト上で動作中の仮想マシンへの影響を抑えたい。
- アプリケーションサーバ群の DB サーバから起動させ、Web サーバを後から起動させたい。
- ドメインコントローラを起動させてからメンバーサーバを起動させたい。
では、実際にスタンバイVM とインスタントVM の起動順設定が、どのような画面になったかお見せしましょう。
インスタントVM 起動順設定画面:
どちらも [起動シーケンス] 欄の矢印ボタンでノードを上下させるだけで、簡単に仮想マシンの起動順を設定できます。
また [VMの起動トリガ間の遅延] で仮想マシンの起動間隔(0~600秒)をスライドバーや、秒数を入力して設定できるようになっています。
仮想ホストのリソースに余裕があり、仮想マシン間のサービス連携もなく、とにかく直ぐに起動させたい場合は、[VMの起動トリガ間の遅延] を0秒にします。
起動トリガ間の遅延を設定する場合は、仮想マシン上の必要なサービスが立ち上がるまで、約何秒必要なのか把握しておくことをお薦めします。立ち上がりが遅い仮想マシンがあれば、それを基準に設定調整していただければ、災害時でのスムーズな代替運用が可能です。
以上。
その他、仮想スタンバイ、インスタントVM に関するサポート技術情報は、以下をご覧ください。
<技術関連情報>
仮想スタンバイ マシンの「UUID」「SID」「MAC アドレス」について
インスタント VM の「UUID」「SID」「MAC アドレス」について