Arcserve UDP 8.0 新機能紹介(4):異なるサイトからの逆向きのレプリケーション
こんにちは。
Arcserve UDP 8.0 新機能紹介の4回目となる今回は、異なるサイトにある復旧ポイントサーバ(以下、RPS)間のレプリケーションがより使いやすくなりましたという話です。
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[目次]
1)バックアップ/リストア用ネットワーク指定の強化
2)エージェント(Windows)設定のエクスポート/インポート
3)スタンバイVM/インスタントVMの複数同時起動
4)異なるサイトからの逆向きのレプリケーション(←本日はここ)
5)Microsoft 365 のバックアップ/リストア強化
6)ランサムウェア対応の強化
7)その他の新機能と機能改善
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異なるサイトにあるRPS間レプリケーションについて
RPS 間レプリケーションは、復旧ポイントサーバ(RPS)間でバックアップデータを転送する機能で、通常は1つの Arcserve UDP コンソール(以下 UDPコンソール)で管理ができます。
しかし、あまりご存じ無い方もおられるかもしれませんが、本番運用サイトと災害対策サイトのそれぞれの拠点に UDPコンソールと RPS を立てる構成で RPS 間レプリケーションを実行することもできます。
この構成は、本番運用サイトと災害対策サイト(データセンターやクラウド)間でレプリケーションを行う際に Arcserve UDP の管理者がそれぞれのサイトで異なる場合、例えばお客様の本番運用サイトにあるバックアップ データを、サービス プロバイダ側の RPS で預かるサービスなどで利用されます。
これまでの逆向きレプリケーション
災害が発生し、本番運用サイトに保存されたバックアップ データが失われてしまったとします。ここで、災害対策サイトにレプリケートしていたバックアップ データを、本番運用サイトに逆向きにレプリケートする事でシステムを復旧できます。
Arcserve UDP 7.0 までは、バックアップ データの逆向きレプリケーションを行う場合、本番運用サイトと災害対策サイトのサーバ間での名前解決の設定を行い、本番運用サイト側で特定の受信ポートを開放する必要がありました。このため、逆向きレプリケーションを行う間のセキュリティ面での不安や、設定の手間がありました。
また、従来の逆向きのレプリケーションでは、プラン単位で複数のバックアップ対象のバックアップ データをまとめてレプリケートします。「重要なサーバだけ先に復旧したい」という場面でも、他のサーバのバックアップ データがレプリケートされるのを待たなければいけないという課題もありました。
Arcserve UDP 8.0 で新たにできるようになった事
Arcserve UDP 8.0 では、逆向きレプリケーションを実行するために “リバース レプリケーション” という機能が追加されました。
リバース レプリケーションは、本番運用サイトの UDPコンソールを操作して災害対策サイトにあるバックアップ データを本番運用サイトの RPS に逆向きレプリケーションする機能です。
この機能により、名前解決の設定を行ったり、本番運用サイトの受信ポートを開放する必要が無くなり、これまでの不安も解消されました。
また、リバース レプリケーションは、本番運用サイトの UDPコンソールから直接実行できるので、本番サイトの管理者がいつでも簡単に逆向きレプリケーションを行うことが出来るようになりました。
更にリバース レプリケーションはバックアップ対象ノード単位で実行するので、特定のサーバだけ復旧したいという場面で小回りが利きます。
設定方法をマニュアルに画像入りで解説しています。より詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
Arcserve UDP Cloud Hybrid でも使えます(2021/9/10追記)
お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、リバース レプリケーションが前提としている「異なるサイトの RPS 間のレプリケート」は、まさに Arcserve UDP Cloud Hybrid を使った構成になります。
2021年9月10日現在、日本国内で提供している Arcserve UDP Cloud Hybrid のインスタンスは Arcserve UDP 8.0 がインストールされていますので、後はお客様環境の RPS が Arcserve UDP 8.0 以上になっていればリバース レプリケーション機能が使えます。
これから Arcserve UDP を利用して災害対策をご検討中の方はもちろん、既に Arcserve UDP で災害対策を導入頂いている方も、より便利になった RPS 間レプリケーションをご利用頂くために Arcserve UDP 8.0 へのアップグレードをご検討いただけますと幸いです。
<関連資料>
以上となりますが、好評の Arcserve UDP 8.0 新機能紹介シリーズは今回で半分を超え、残り3回となります。
次回もぜひお楽しみに!!
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コメント
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『Arcserve UDP 8.x ソリューション ガイド - リバース レプリケーションを実行する方法』ですが、
1台のRPSでローカルからネットワーク共有にレプリケートしている場合に、
ネットワーク共有から復元する方法を教えていただけないでしょうか?
※リストアの復元元をレプリケート先のデータストアを指定しても失敗となってしまいます。
一度、ローカルに逆レプリケートとかしないと駄目でしょうか?
投稿: mk | 2022年8月 3日 (水) 17時26分
mk 様
コメントいただきましてありがとうございます。
レプリケート先のデータストアからリストアできないとのことですが、
行っているリストアは RPS 自身のベアメタル復旧(BMR)ではないでしょうか。
もし、重複排除が有効なデータストアにバックアップしている場合は、RPS 自身の BMR は行えません。
これは BMR 中は RPS のサービスが動いておらず、バックアップ データを読み出すことができないからです。
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参考記事:Arcserve UDP コンソールをバックアップする 3 つの方法 -
方法2 : Arcserve UDP Advanced Edition でバックアップする
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2020/01/post-fc315d.html#2
Arcserve UDP コンソールや RPS のバックアップに限っては、バックアップ先に重複排除が有効な RPS のデータストアを指定するのは NG です。重複排除済みのバックアップ データを読み出すには RPS が動いている必要があるので、Arcserve UDP コンソールと RPS 両方がダウンしている状態だとリストアできなくなってしまいます。
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上記に該当しない場合は、何かしら問題が起きている可能性がありますので、
Arcserve テクニカル サポートにお問い合わせください。
有効なメンテナンスがあればお問い合わせいただけます。
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参考記事:問題解決の強い味方!Arcserveサポートポータルの活用方法
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2018/11/arcserve201811-.html
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投稿: ホテ | 2022年8月 3日 (水) 19時44分