Arcserve UDP Cloud Direct : ローカル バックアップの使用方法と注意点
Arcserve UDP Cloud Direct はクラウドに直接バックアップできることが売りのデータ保護サービスですが、実は「ローカル バックアップ」という機能を使う事で、バックアップ対象マシンのローカル フォルダにデータをコピーすることもできます。今日はこの機能について解説します。
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<目次>
ローカル バックアップの設定はパスを指定するだけ
リストアはファイルを直接参照
注意点1:ローカルに保持できるのは直近の1世代のみ
注意点2:デスティネーション(バックアップ先)の容量は多めに確保!
本格的にローカル バックアップを行うのであれば Arcserve UDP がお勧め
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## ローカル バックアップの設定はパスを指定するだけ
Arcserve UDP Cloud Direct のローカル バックアップを有効にするには、ポリシーの [タスク] - [保護する場所] で [ローカル バックアップを作成する] にチェックを入れます。この下に出てくる [デスティネーション パス] がローカル バックアップ先になります。
バックアップの目的を果たすため、[デスティネーション パス] には保護対象と別な物理ディスク上のパスを指定してください。(下の画像は保護対象と同じ C ドライブにしてしまっているので悪い例です……)
特別な設定はこれだけで、以後バックアップが実行されるたびにクラウドへのバックアップと並行してローカルにもバックアップが行われます。
## リストアはファイルを直接参照
ローカル バックアップからのリストアはクラウドからのリストアとは手順が異なります。バックアップ対象マシンの以下のパスに、ソースとなったデータのコピーが格納されます。
<ローカル バックアップのデスティネーション パス>\SYNC_LOCAL\<バックアップ対象ホスト名のフォルダ>\
Arcserve UDP Cloud Direct のコンソールではローカル バックアップからのリストア機能は無いため、上記のフォルダから必要なデータをコピーして利用します。
ファイル フォルダ バックアップを行っている場合は、以下の画像のようにソースと同じ単純なファイル/フォルダとして配置されています。
Windows イメージ バックアップを行っている場合は、ボリュームのイメージとして VHD 形式で保存されているので、VHD ファイルをドライブとしてマウントして中から必要なファイルを取り出します。
## 注意点1:ローカルに保持できるのは直近の1世代のみ
ここまで読んでお気付きの方もいらっしゃるかもしれないのですが、Arcserve UDP Cloud Direct のローカル バックアップには世代管理の設定がありません。バックアップ対象のファイルを直近の1世代のみコピーするという仕様になります。
「1週間前に削除されたファイルをリストアしたい」という場合は、複数の世代が保管されたクラウド ボリューム(※1)からリストアする必要があります。
## 注意点2:デスティネーション(バックアップ先)の容量は多めに確保!
また、Arcserve UDP Cloud Direct の ローカル バックアップは、バックアップ ジョブが失敗しデータが破損する事を避けるため、上書きではなく新しいバックアップを作成してから古いバックアップ データを削除するという動作になります(ファイル フォルダ バックアップを除く)。そのため、ローカル バックアップ先であるデスティネーション パスには一時領域も含めた容量を確保する必要があります。
特に Windows イメージ バックアップではディスク全体のイメージファイルを作成するため、デスティネーションにはバックアップ対象ボリュームの2倍以上の容量が必要です。
参考までに、Arcserve UDP Cloud Direct のオンライン ヘルプを引用します。
Arcserve UDP Cloud Direct オンラインヘルプ - Cloud Direct バックアップ用のポリシーの追加
タスクがファイル フォルダ以外のタスクである場合、エージェントは最初に新しいローカル コピーを作成してから古いローカル コピーを削除するため、ローカル コピー デスティネーションに 2.1 倍の空き容量があるかどうかを確認します。ファイル フォルダ タスクの場合、推奨される空き容量は、ソース パスのサイズの 1.1 倍です。
## 本格的にローカル バックアップを行うのであれば Arcserve UDP がお勧め
ここまで説明してきたように、Arcserve UDP Cloud Direct のローカル バックアップはおまけのような位置づけで、あくまでクラウドへのバックアップが主になります。
マシン全体のシステム復旧が必要だったり、複数世代のバックアップをオンプレミスに保持しておきたいというご要件がある場合は、Arcserve UDP の利用をご検討ください。Arcserve UDP であればローカルでも継続的な増分バックアップが行えるので、ストレージ容量も節約できます。
Arcserve UDP でローカル バックアップとクラウドへのバックアップを両立する方法は大きく分けて2つの方法があります。
小中規模向け:Arcserve UDP と Arcserve UDP Cloud Direct の併用
UDP Agentのみで復旧ポイントサーバ(RPS)を利用していない小規模環境でもクラウドバックアップを実現する一つの方法とは?中大規模向け:Arcserve UDP と Arcserve UDP Cloud Hybrid の併用
Arcserve UDP のバックアップデータを遠隔地へ転送してみませんか?
以上、ホテがお伝えしました。
<関連記事>
※1 クラウド ボリュームでのバックアップ データの保存期間については以下の記事をご覧ください。
Arcserve UDP Cloud Direct はバックアップデータの「世代管理」がシンプル!設定であれこれ悩むことはありません。
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