Arcserve UDP 8.1新機能紹介(3):CentOS 8.x ベースのカスタム Live CD
皆様、こんにちは。
2021年9月13日にArcserve UDP 8.1が登場しました!4回にわたって、8.1の新機能を紹介しておりますが、3回目の今回は、CentOS 8ベースのカスタム Live CDについて紹介します。
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[連載目次]
1)Arcserve UDP コンソールが多要素認証に対応!!
2)Wasabi オブジェクト ロックにバックアップ データをコピーしてみる。
3)CentOS 8.x ベースのカスタム Live CD (←本日はここ)
4)その他の新機能/拡張機能
5)プラットフォーム対応の強化
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Arcserve UDP のベアメタルリカバリとは
Arcserve UDP の復旧手段の1つとしてベアメタルリカバリというものがあります。聞きなれない言葉が出てきましたが、ベアメタルとは OS もインストールされていないリカバリ先を指しています。
サーバのハードディスク故障により OS が起動できなくなってしまった時は、ハードディスクを交換しなければなりません。新品のハードディスクは通常、OS がインストールされている訳ではないので、ファイルベースのバックアップから復旧するには、先ず OSとアプリケーションをインストールする必要があります。この他にもアップデートやパッチの適用、時には OS やアプリケーションの再起動も必要となる場合があるので、肝心の復旧作業に取り掛かるまでに多くの時間を必要とします。
Arcserve UDP のベアメタル リカバリの場合は、ハードディスク交換後に復旧用メディアから起動し、Arcserve UDP で OS・アプリケーションを丸ごと、バックアップした時点の状態へリカバリすることができます。即ち OS やアプリケーションのインストール作業が不要で素早く復旧させることができるのです。
また、Arcserve UDP は P2P(異なるハードウエアに復旧)、P2V(仮想マシンに復旧)にも標準で対応しているので、パーツの手配等で修理に時間が掛かってしまう場合であっても、異なるハードウエアや仮想環境等に復旧先があれば、ベアメタルリカバリを実行し素早く業務を再開できます。
この肝心な時に必要となる復旧用メディアですが、Arcserve UDP 8.1 より3種類になったので、この後ご紹介いたします。
CentOS 8ベースの標準Live CD
Arcserve UDP for Linux Agent の復旧用メディアのことを「Live CD」と言います。Arcserve UDP Linux Server のインストール時に、自動的に Live CD の ISOファイル が作成されます。これを「標準 Live CD」と言います。Arcserve UDP 7.0 Update 2 より、標準 Live CD のベース OS が CentOS 8.0(Kernel Version:4.18.0-80.el8.x86_64)となりました。
このことより Red Hat Enterprise Linux 8 / CentOS 8 / Oracle Linux 8 環境でもベアメタルリカバリができるようになっています。先ずは、お使いのハードウエアでベアメタルリカバリができるかどうか、標準 Live CD を使って試しておくことをお薦めします。
<関連記事>
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CentOS 8ベースのカスタムLive CD(新機能)
標準 Live CD では、ベアメタルリカバリができないケースもあります。 それは、Live CD 内にあるドライバでは、認識できないアレイコントローラやネットワークカードが存在している場合です。この場合、復旧用メディアにハードウエアを認識させるため、ご利用のハードウエアのドライバを組み込んだ、カスタム Live CD を作成する必要があります。
Arcserve UDP 8.1 から この CentOS 8.x ベースのカスタム Live CD の作り方が少し変更されています(従来方式は次項参照)。Arcserve UDP 8.1 の CentOS 8ベースのカスタム Live CD の場合は、標準 Live CD を基にカスタム Live CD を作成する方法となります。
簡単に手順を説明すると、サーバメーカーのダウンロードサイトから、CentOS 8 用のドライバファイルをダウンロードします。ファイルが圧縮されていれば展開し、*.ko または *.rpm を取り出して Arcserve UDP 8.1 の 標準Live CD にドライバを組み込んで作成します。
詳しい作成手順については、CentOS 8.X 用のカスタム ドライバを含むブート可能 Live CD を作成する方法 をご確認ください。
CentOS 7以前のカスタムLive CD
ご利用のハードウエアに合わせて CentOS 7.x 以前のドライバに対応する必要がある場合、これまで通り、各 CentOS のバージョンに対応したドライバを組み込んだ、カスタム Live CD を作成できます。
従来からあるこちらの方法も、ハードウエアメーカから CentOS 向けドライバをダウンロードし、圧縮されていれば展開しておきます。またそのドライバに対応した CentOS Live GNOME イメージもダウンロードしておきます。弊社 KB に掲載されている Arcserve UDP Agent for Linux でサポートされる、CentOS Live CD ISO のバージョンは、以下の通りです。
(一部掲載、〇:サポート、×:非サポート)
CentOS version |
LiveCD version |
Arcserve UDP v6.5 Update4 |
Arcserve UDP 7.0 GA ~ Update1 |
6.5 | CentOS-6.5-x86_64-LiveCD.iso | 〇 | 〇 |
6.7 | CentOS-6.7-x86_64-LiveCD.iso | 〇 | 〇 |
6.8 | CentOS-6.8-x86_64-LiveCD.iso | 〇 | 〇 |
6.9 | CentOS-6.9-x86_64-LiveDVD.iso | 〇 | 〇 |
6.10 | CentOS-6.10-x86_64-LiveDVD.iso | 〇 | 〇 |
7.2 | CentOS-7-x86_64-LiveGNOME-1511.iso | 〇 | 〇 |
7.3 | CentOS-7-x86_64-LiveGNOME-1611.iso | 〇 | 〇 |
7.5 | CentOS-7-x86_64-LiveGNOME-1804.iso | × | 〇 |
7.6 | CentOS-7-x86_64-LiveGNOME-1810.iso | × | 〇 |
7.7 | CentOS-7-x86_64-LiveGNOME-1908.iso | × | 〇 * |
* Arcserve UDP 7.0 Update1 以降でサポートされます。
KB:CentOS ベースの Live CD 作成をサポートする CentOS Live CD ISO イメージのバージョンについて
CentOS Live CD ISO のダウンロードが終わったら、ダウンロードしたイメージに リストア リストアユーティリティと呼ばれる Arcserve UDP のコンポーネントと、ドライバ(*.ko または *.rpm)を組み込むことで、お使いのハードウエアに対応したカスタム Live CD を作成できます。手順の詳細は CentOS ベースの Live CD の作成方法 をご確認ください。
まとめ
以上 Arcserve UDP Agent for Linux の3種類の Live CD について紹介しました。このうちCentOS 8.x ベースのカスタム Live CD が Arcserve UDP 8.1 の新機能になります。
ご利用のハードウエアのドライバがどのバージョンの CentOS に含まれているか、ドライバが含まれない場合は、ハードウエアメーカーが提供しているドライバは CentOS のどのバージョン用なのかを確認いただき、この3種類の復旧メディアから、必要なものを障害時に備え準備してください。
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