Arcserve UDP:Linux サーバのみの環境でバックアップをコマンド実行する方法
以前、Arcserve UDP の Windows Agent に直接コマンドを送ってバックアップする方法を解説しました(※1)が、今回はその Linux 版を紹介します。
## あらかじめバックアップ ジョブを作る
まず、Arcserve UDP Linux バックアップ サーバ(※2)にログインしてジョブを作ります。今回は以下の要件を想定してバックアップ ジョブを組んでみます。
要件1:バックアップはシステムに変更を加えるタイミングで随時行う
要件2:保存するバックアップはフル バックアップ2世代
このうち要件1を満たすため、[スケジュール タイプ] は「なし」にしましょう。こうする事で Arcserve UDP が自動でバックアップを行う事は無くなります。
今回のようにスケジュールが不定な場合だけでなく、ジョブ管理ツールなどでバックアップ スクリプトをキックしたいという場面でも使える設定項目です。
また、要件2 を満たすために復旧セットの保存数を「2」にします。
”復旧セット”というのはフル バックアップと増分バックアップのセットの事です。復旧ポイントサーバ(RPS)を導入しない Linux のスタンドアロン構成では継続的な増分バックアップ(復旧ポイント方式)は使えず、この復旧セット方式を利用する事になります。
今回はフル バックアップしか行わないので、”復旧セットの数” = ”バックアップの世代数” になります。
なお、Arcserve UDP Agent for Linux の復旧セット方式では、バックアップ開始時に保存数を超過した古い復旧セットを削除する仕様になっています。そのため、バックアップ先(デスティネーション)には復旧セットの保存数 + 1 セット分の容量を確保する必要があります。
## バックアップ ジョブをコマンドで実行する
いよいよ、コマンドを実行します。Linux Backup サーバに接続し、以下のコマンドを続けて実行します。
# cd /opt/Arcserve/d2dserver/bin
# ./d2djob --run=<ジョブの名前> --jobtype=0 --recoverysetstart --wait
今回指定したパラメータの説明を表にまとめました。
--jobtype | バックアップ ジョブの種類を指定します。0 がフル バックアップ ジョブ、1 が増分バックアップ ジョブ、2 が検証バックアップ ジョブを示します。値を指定しない場合、増分バックアップが行われます。 |
--recoverysetstart | このコマンドで実行するバックアップを復旧セットの起点として指定します。ジョブ内で指定した曜日/日付でなくても復旧セットの起点にできるので便利です。 |
--wait | ジョブが完了するまでステータス メッセージの表示を待ちます。 |
(詳細はマニュアル(※3)もご覧ください。これ以外のオプションの解説も載っています。)
以下、バックアップの実行例です。無事に正常終了しました!!
バックアップ後にスクリプトを実行する方法も記事にしているので興味のある方はぜひ。
<関連記事>
以上、ホテがお伝えしました。
※1 Arcserve UDP:Windows のバックアップを PowerShell から実行する方法
※2 Arcserve UDP : Linux バックアップ サーバ って何!?
※3 Arcserve UDP 8.x Agent for Linux オンライン ヘルプ - スクリプティング ユーティリティについての理解
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