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2021年11月26日 (金)

Arcserve Backup のコマンドラインを使ってみよう

今回のコラムでは、久しぶりに Arcserve Backup に触れてみたいと思います。 Arcserve Backup は、バックアップやリストアなどを行う、コマンドライン ユーティリティを備えています。 たとえば運用監視ソフトを利用する場合、Arcserve Backup のコマンドライン ユーティリティを利用すると、バックアップを含む一連の処理を運用監視ソフト側で管理できます。

Arcserve Backup には様々な機能のコマンドがありますが、よく利用されるのは、下記2つのバックアップに関するコマンドです。 このコラムではコマンドのリターンコードと、メリット/デメリット (注意点) にも触れていきます。

- cabatch コマンド
- ca_backup コマンド

◆ cabatch コマンド

cabatch コマンドでは、スクリプトと呼ばれるファイル (asxファイル) が必要になります。

<スクリプトファイルの作り方>

まず、Arcserve Backup のマネージャ画面からバックアップ マネージャを開き、バックアップの設定をします。

ポイント:
バックアップの実行は運用監視ソフト側から実施するため、Arcserve Backup 側のスケジュール設定では、デフォルトの ”1度だけ” が選択された状態にしておきます。

すべてのバックアップ設定 (バックアップの種類, ソース, デスティネーション, グローバルオプションなど) を指定した後、スクリプトファイルを作成するため、バックアップ設定画面のメニューバーから、[ファイル]-[名前を付けて保存...] を選択します。

Web1

ソースで選択したバックアップ対象に対するアカウント確認が出てきますので、内容を確認して OK をクリックします。 次に出てくるジョブ スクリプトの保存画面で、ファイル名と詳細を入力し、スクリプトファイル (asxファイル) を作成します。

※ 入力した詳細は、Arcserve Backup のジョブ ステータスに表示されるジョブ名になります

設定例

Web22

スクリプトファイルを作成したら、Arcserve Backup のバックアップ画面を閉じます。
(保存したスクリプトファイルの内容を確認/修正する場合は、Arcserve Backup のマネージャ画面のメニューバーから、[ファイル]-[開く...] を選択し、保存したスクリプトファイルを選択してください)

<コマンドの実行とリターンコード>

cabatch コマンドは、Arcserve Backup のホームディレクトリにあります。
(デフォルトのホームディレクトリ: C:\Program Files (x86)\CA\Arcserve Backup)

リターンコードを含める場合、ジョブの完了を待機する /W の引数を指定します。 コマンドの記述方法や引数については マニュアル を参照してください。

例) リターンコードを受け取るように設定し、作成したスクリプトのバックアップを実行

cabatch /H=バックアップサーバ名 /S=スクリプトファイルのフルパス /W

リターンコード
0 - ジョブは正常に終了しました。
1 - ジョブは完了していません。
2 - ジョブはキャンセルされました。
3 - ジョブは失敗しました。
4 - ジョブはクラッシュしました。
5 - ジョブはシステム エラーでした。
6 - パラメータ エラーが発生しました。
7 - メモリの不具合が発生しました。メモリを使用していると思われるアプリケーションのうち、重要ではないものを閉じてから、ジョブを再試行してください。
8 - 一般エラーが発生しました。

<メリットとデメリット>

メリット

cabatch コマンドは、引数をすべて Arcserve Backup の画面で指定できるため、だれでも簡単にコマンドを実行できます。

デメリット (注意点)

作成したスクリプトを他のバックアップ サーバで実行する場合、注意が必要です。 cabatch コマンドを実行する前に、スクリプトファイルを他のバックアップ サーバで開き、内容を確認して保存、もしくは名前を付けて別名保存してください。 変更する項目が無い場合でも、スクリプトを開き、再保存します。 再保存しなかった場合、cabatch コマンドが実行されず、ジョブがホールド状態になります。 (この場合のリターンコードは 9 になります) 

Web33

ホールド状態になる理由は、作成/編集したバックアップ サーバの情報がスクリプトファイルに含まれるためです。 他のバックアップ サーバでコピーしたままのスクリプトを利用すると、複数のバックアップ サーバで構成されるプライマリ/メンバ環境と認識し、Central Management Option のライセンスと、モジュールのインストールを要求します。

なお、他のバックアップ サーバでスクリプトを開く場合、バックアップ先となるデバイスグループ設定が解除されるため、バックアップ先が未選択の状態になります。 バックアップ先を指定してスクリプトファイルを保存するか、cabatch の引数で “/G=デバイスグループ名” を入れてコマンドを実行します。 (コマンドの引数はスクリプトで設定した項目より優先となります)

同じコマンドを複数のバックアップ サーバで利用する場合には、もう1つの ca_backup コマンドの利用も検討してください。

◆ ca_backup コマンド

ca_backup コマンドはすべての引数をコマンドラインで指定するため、スクリプトなどを用意する必要はありません。

<コマンドの実行とリターンコード>

ca_backup コマンドも cabatch コマンド同様、Arcserve Backup のホームディレクトリにあります。
(デフォルトのホームディレクトリ: C:\Program Files (x86)\CA\Arcserve Backup)

リターンコードを含めるには、ジョブの完了を待機する -waitForJobStatus とポーリング間隔 (デフォルト60秒) の引数を指定します。 コマンドの記述方法や引数については マニュアル を参照してください。

例) リターンコードを受け取るバックアップ 
(ポーリング間隔120秒, アーカイブビットをクリアする即実行のフルバックアップ, バックアップ先は PGRP1)

ca_backup -source バックアップ対象マシン名 -filesystem バックアップ対象パス -username アカウント -password パスワード -custom -method full-clear -Group PGRP1 -runjobnow -description "コマンド実行のバックアップ" -waitForJobStatus 120

リターンコード
0 - ジョブは正常に終了しました。
1 - ジョブは失敗しました。
2 - ジョブは完了していません。
3 - ジョブはキャンセルされました。
4 - ジョブのステータスが不明です。

ca_backup コマンドのリターンコードについては、注意点があるため、マニュアルのリターンコード記述箇所を事前に確認してください。 なお、無効なデバイスグループなどを指定した場合、引数の設定ミスと同じ -1 のリターンコードが返り、ジョブは実行されません。

<メリットとデメリット>

メリット

記述したコマンドを他のバックアップ サーバでも実行できます。

デメリット

すべてのバックアップ設定を引数で記述するため、コマンド作成が少し難しくなります。

◆最後に

cabatch コマンドで利用するスクリプトファイルを他のバックアップ サーバで編集する場合、作成した Arcserve Backup と同じバージョンの Arcserve Backup を用意してください。

cabatch コマンドも、ca_backup コマンドも、バックアップの実行結果は Arcserve Backup のジョブステータスにも表示されます。 コマンドラインでリターンコードを確認するには、echo %errorlevel% コマンドを入力すると、リターンコードがわかります。

以上、Arcserve Backup でよく利用されるコマンドについて記述してみました。

 

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