Arcserve Replication / HAフルシステム シナリオで1:2構成に対応
もうすぐ2021年も終わろうとしています。
新型コロナウイルスの終息まではまだ時間がかかると思いますが、この難局を一緒に乗り越えていきましょう!
Arcserve Replication / HA 18.0にてフルシステム シナリオが使えるようになりましたが、今回はそのフルシステム シナリオで新しい構成が対応可能になったご紹介です。
複製先のハイパーバイザー(またはクラウド)は1つでしたが、複製先を2つにすることができるようになりました。
これにより、例えば、サーバの冗長化目的で同一拠点内の HA を組みつつ、災害対策目的で遠隔地にレプリケーションする、という使い方がフルシステム シナリオでもできるようになります。
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1.(復習) フルシステム シナリオとは?
2.1:2構成を実現する2通りの設定方法(1つのシナリオと2つのシナリオ)
3.方法1:1つのシナリオ内に2つの仮想アプライアンス(VA)
4.方法2:2つのシナリオ
5.まとめ
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1.(復習) フルシステム シナリオ とは?
フルシステム シナリオは、Arcserve Replication/HA の18.0から新機能として搭載されました。
このArcserve RHA フルシステム シナリオはリアルタイムでOSを含めたシステム全体が複製されるので、障害発生直前の環境で複製済みのVM(レプリカ)をご使用いただける機能です。
フルシステム シナリオではマスタサーバのOSを含めたシステム全体のデータを、ハイパーバイザー(またはクラウド)上の仮想アプライアンス(※)を介して仮想ディスクに複製します。いざというときにこの仮想ディスクをマウントした仮想マシン(代替VM)が起動するので、その仮想マシンを使って業務を継続することができます。
※ Hyper-Vの場合はホスト側にRHAエンジンをインストールするため、仮想マシンは不要
以下のブログでArcserve RHA フルシステム シナリオを詳しくご紹介していますので、ぜひご確認ください!
「Arcserve Replication/HA 18.0 新機能!フルシステムシナリオでサーバを丸ごと複製」
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2019/06/post-e55644.html「Arcserve Replication/HA 18.0ではLinuxサーバ全体のレプリケーションが可能に!」
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2019/07/post-e1b4ae.html「Arcserve Replication/HA:フル システム シナリオとそれ以外のシナリオの使い分け」
https://arcserve.txt-nifty.com/blog/2019/09/post-334af5.html
2.1:2構成を実現する2通りの設定方法(1つのシナリオと2つのシナリオ
さて、ここから今日の本題になります。これまではフルシステムシナリオの複製先は1か所だけでしたが、2021年10月より、複製先を2つにすることをサポートいたしました。
フルシステムシナリオで1対2構成を組むには、2通りの方法があります。
1つ目は1つのシナリオの中に複製先として2つの仮想アプライアンス(VA)をぶら下げる方法です。
こちらは HA シナリオ限定となりますので、Arcserve High Availability(HA) のライセンスがマスタサーバとVAの合計数分必要になります。
2つ目はシナリオを2つに分割する方法です。
マスタサーバは同じだけれども複製先のVAが異なるシナリオを2つ作ります。
同じマスタサーバに対してHA シナリオを2つ作ることはできませんので、必ず片方が、スイッチオーバー機能がない DR シナリオになります。
また、この構成を組めるのは Windows サーバに限ります。
フルシステム シナリオの動作、およびサポート構成についてはこちらのマニュアルをご参照ください。
3.方法1:1つのシナリオ内に2つの仮想アプライアンス(VA)
この構成はHAシナリオ限定となり、WindowsとLinuxで構成可能です。
ここからはWindowsを例に2つ目の仮想アプライアンス(VA)を設定する方法をご紹介します。
- 1つのシナリオで1対2構成を組むには、まず、1対1のフルシステム シナリオを作成します(※)。
これが1つ目の仮想アプライアンス(VA)を設定済みの状態になります。
※ あらかじめ HA シナリオを作成する際には「手動」スイッチオーバーを有効にしてください。1対2構成では「自動」スイッチオーバーはサポートされません。 - マスタサーバ、今回の例で言うと[MASTER-WINDOWS]にカーソルをあわせて右クリックから、[ホストの挿入]をクリックします。
- 1台目の仮想アプライアンス[APPLIANCE-WINDOWS]の下に「レプリカホスト名をここに入力してください」という行が出てくるので、
- 画面右に2台目の仮想アプライアンス(VA)のプロパティが展開されます。
[仮想マシン]-[仮想プラットフォーム設定]が未指定のままなので、「ここをクリックして仮想プラットフォーム設定を編集します」をクリックし、ハイパーバイザーの情報を入力します。
- 適宜、[仮想マシン設定]を編集し、適切なリソース配分、ネットワーク設定を行います。
その他の設定については、1台目の仮想アプライアンス(VA)にならって設定してください。 - 設定が完了したら、シナリオを開始してください。
ただし、設定した仮想アプライアンス(VA)2台分、同時に実行されますので、実行するタイミングは適切に判断してください
なお、この 1:2の HA シナリオで手動スイッチオーバーを行おうとすると、[スイッチオーバーの実効先] を指定するダイアログ ボックスが表示され、どちらの仮想基盤/クラウドで代替 VMを開始するか選べます。
4.方法2:2つのシナリオ
この方法についてはシナリオを2つ作成するだけなので、設定方法は割愛させていただきます。
HAシナリオとDRシナリオ、DRシナリオが2つの構成のみのサポートとなっていますので、HAシナリオを2つ作成しないように注意してください。
この方法では Arcserve Replication のライセンスで実行できる DR シナリオが含まれるので、その分ライセンスの費用が節約できるという利点があります。
HA シナリオと違い、スイッチオーバーを実行する事はできませんが、仮想環境で代替 VM を起動する事はできます。
5.まとめ
フルシステム シナリオの1対2構成が可能になったことにより、拠点内のフルシステムシナリオと遠隔地へのフルシステム シナリオなど、災害に備えた構成が可能となりました。
システムの冗長化や、災害時の自動復旧、仮想環境/クラウドへのシステム移行でお悩みの方は是非、Arcserve RHAのフルシステム シナリオでの実現をご検討ください!
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