Arcserve UDP 9.0 新機能紹介(5):Microsoft SQL Server リストアの拡張
寒さも和らぎ、温かくなってきたこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。最近は ChatGPT に注目が集まり、色々な活用方法が巷では話題ですよね。
本日の Arcserve UDP 9.0 新機能紹介では、Microsoft SQL Server のリストア機能の拡張について解説いたします。
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[連載目次]
1)手動バックアップをスケジュール ジョブとして実行
2)カスタム/手動 復旧ポイントの削除
3)[未完了]ジョブ ステータスの追加
4)電子メール通知の OAuth 2.0(M365/Google)対応
5)Microsoft SQL Server リストアの拡張(←本日はここ!)
6)Oracle RMAN 対応
7)vTPM の復旧サポート
8)その他の新機能/新プラットフォーム対応 / Assured Recovery が Advanced Edition で利用可能に
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1. Microsoft SQL Server リストア オプションの追加
Microsoft SQL Server のリストア拡張で初めにご紹介するのは、リストア オプションの追加についてです。
まず、復旧状態の指定やデータベースの整合性チェックを行うことが可能となりました。復旧状態の指定では、RECOVERY モードと NORECOVERY モードのいずれかを指定できます。
復旧状態についての詳細は下記の Microsoft 社のページを参照ください。
更に「リストア後にデータベースの整合性を実行する」にチェックを入れることで、Arcserve UDP が、物理的に、論理的にデータベースの整合性をチェックすることで、リストアの結果に自信を持つことができます。
また上記オプションはジョブ単位だけではなく、データベース単位でも設定することが可能となります。以下の画面の右側の「追加オプション」列で「設定」ボタンをクリックする事で、データベース単位のリストア オプション設定が行えます。
今回 Arcserve UDP 9.0 からインスタンス名を変更してリストアすることも可能になりました。上の画面の「デスティネーション インスタンス名」ドロップ ダウンリストの値を変更することで、例えば、開発環境のインスタンスをステージング環境へ移行させるといったことも可能となります。障害から復旧する目的だけではなく、データベースのコピーをすることで開発工数を削減もできますので、ぜひご活用ください!
2. Point-In-Time 復旧
復旧ポイントだけでは捉えきれない特定の時点へリストアすることができる Point-In-Time 復旧(以降は PIT 復旧と記載)が追加されました。以前ではコマンドで実施する必要がありましたが、これからは簡単に GUI で実行することが可能です!
PIT 復旧とは、N 回目復旧ポイントから N+1 回目の間において、任意の時点へ復旧させる機能です。
バックアップ取得時点では、どこまでレコードが更新されていたか判別がつかない場合に、PIT 復旧で指定した時点まで復元し、その時点以降に更新したデータの再入力を行うなどの運用をすることもできます。
PIT 復旧利用の前提条件は、下記3点です。
・Microsoft SQL Server において完全復旧モデルであること。
・エージェント経由でのバックアップであること。
・2つ以上の復旧ポイントがあること。
また、バックアップを実行する前にあらかじめ PIT 復旧を有効にしておく必要があります。設定方法は、Arcserve UDP コンソール環境、Windows Agent 単体環境かによって異なります。
Arcserve UDP コンソール環境では、バックアップ プランからタスクの拡張設定で「SQL Server の Point-in-time 復旧を有効にする」にチェックを入れます。
Windows Agent 単体での環境であれば、[設定]から[バックアップ設定] – [拡張]を選択し、「SQL Server の Point-in-time を有効にする」にチェックを入れます。
また PIT 復旧時にはわかりやすいスライドバーやカレンダー形式で復旧時点を選択することができます。
トランザクション ログも確認することができるため、どんな操作が起きたか Arcserve UDP 上だけで確認することができます!これにより復旧したい時点へと簡単にリストアすることが可能です。
Arcserve UDP 9.0 なら、Microsoft SQL Server の柔軟なリストアができることをご確認いただけましたでしょうか。
データベースの復旧については、過去に株式会社ネットワールド様と共催した Webinar で解説しているアーカイブもございますので、よかったらご覧ください。
(2024年12月13日追記)
Arcserve UDP 10.0 では Microsoft SQL Server 関連の機能がさらに強化され、復旧ポイントを SQL Server データベースの一部としてマウントすることができるようになりました。これにより、リストア前に復旧したいポイントが適正なものかどうか把握することができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Arcserve UDP 10.0 新機能(3)MS SQL Server データベースのバックアップ データのマウント
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