Arcserve RHA での 「圧縮転送」 と 「圧縮属性のレプリケート」
先日 「Arcserve Replication でデータを圧縮できるの?」 というお問い合わせをいただきました。
Arcserve Replication / High Availability (以降 Arcserve RHA と省略)では転送中のデータを圧縮する場合と、圧縮されたファイルをレプリケーションする場合の2通りがあります。
本日は、両者についてそれぞれご説明します。
## 圧縮転送について
これはマスタ(複製元)サーバから転送するデータを圧縮し、レプリカ(複製先)サーバで受信後に展開する、というものです。
この機能の目的は、レプリケーションによる帯域幅の使用量を節約するとともに、帯域幅がボトルネックになっている環境での RPA(※1) を改善するという点にあります。レプリカのストレージ容量を節約するためのものではありません。
これを有効にするには、マスタ プロパティの [レプリケーション] - [転送時にデータを圧縮] の設定を「オン」に変更します。(デフォルト値は「オフ」)
この圧縮転送では、マスタ/レプリカの CPU を使用して、データを圧縮/展開します。そのため、サーバに負荷がかかるという点にご注意ください。また、ネットワークがボトルネックになっていない環境で圧縮転送を有効にしても、負荷がかかるだけで意味がない、という残念な結果になってしまいますので、その点もご注意ください。
圧縮転送によりデータがどれほど小さくなるかは、実際に試してみなくても、アセスメント レポートで調べることができます。調べ方は簡単で、先ほどの [レプリケーション] - [転送時にデータを圧縮] を「オン」にしたうえで、アセスメント モードを実行するだけです。
アセスメント モードの使い方は以下の記事をご覧ください。
この圧縮転送を有効にして取得したアセスメント レポートのサンプルがこちら↓です。[圧縮済みのバイト数] と [圧縮率] でそれぞれどれほどデータが圧縮されたか分かります。
ちなみに、大昔から公開されている Arcserve Replication のサポート技術情報(※2)に以下があります。この中の Compress data というのが先ほどの [転送時にデータを圧縮] になります。
Arcserve Replication はデータ圧縮を行えますか ?
[回答]
はい、Arcserve Replication はデータ圧縮機能を提供しています。デフォルトでは Compress data は Off に設定されていますので、利用する場合には設定を On にしてください。
## 圧縮属性のレプリケーション
一方で、複製先サーバ(レプリカ サーバ)のディスク使用量を節約したい時に使えるのが圧縮属性のレプリケーションです。
Windows の NTFS にはファイル/フォルダを圧縮して、ディスク使用量を小さくする機能があり、この圧縮属性を Arcserve Replication が複製できるわけです。
圧縮属性のレプリケーションの設定個所はシナリオ プロパティの [レプリケーション] - [オプション設定] - [NTFS 圧縮属性をレプリケート] です。Arcserve RHA 18.0 ではデフォルトで「オン」になっています。
こちらは、よくある質問と回答(FAQ)にも記述があります。
Arcserve Replication / High Availability 18.0 よくある質問と回答 P.9
Q4. Arcserve Replication/High Availability は NTFS ファイル圧縮フラグを複製することはできますか?
はい、[NTFS 圧縮属性をレプリケート] 属性がオンの場合は可能です。
なお、ファイル/フォルダが圧縮されているかどうかは、ファイル/フォルダのアイコンかプロパティを見れば調べられます。
以下の画像では、「Document」という名前のフォルダで圧縮属性が有効になっており、ディスク上のサイズが実際のサイズより小さくなっていることが分かります。
前述の通り、Arcserve RHA ではこの圧縮属性をレプリケートできるので、マスタで圧縮属性が有効になっているファイル/フォルダは、レプリカでも圧縮属性が有効なまま複製されます。
以上、ホテがお伝えしました。
※1 Recovery Point Actual の略で、障害か復旧する時にどこまで鮮度の高いデータで復旧できるかを示します。RPA とその目標である RPO については、以下の記事もお読みください。
※2 この技術情報が公開されたのは Arcserve Replication / High Availability v4 の頃で、当時は英語 UI しかなかったので、設定項目も英語になっています。懐かしい……。
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