「仮想マシンの移行」案件でよくある質問と回答【Arcserve UDP 編】
ハイパーバイザをまたいだ仮想マシンの移行(Virtual to Virtual:V2V)のご相談をいただくことが増えています。例えば vSphere ESXi 6.5 から ESXi 8.0 へバージョンアップしたいというご相談はこれまでも多くありましたが、今年は ESXi → Nutanix AHV のように異ベンダー間での移行案件が多い印象です。
Arcserve のバックアップ ソフトウェア、特に Arcserve UDP は複数種類のハイパーバイザに対応しておりますので、ハイパーバイザ変更時でも安心してバックアップを任せられます。また、仮想マシンをバックアップして他の場所にリストアできるという特性を生かして、仮想マシンの移行ツールとしてご利用いただくケースもあります。
そこで、今日は仮想マシンの移行に Arcserve UDP を使うという場面で、よくある質問と回答の一部をご紹介します。
Q1. Arcserve UDP では仮想マシンをバックアップする方式に「エージェント ベース」 と 「エージェント レス」 の二種類があると伺いました。それぞれの違いを教えてください。
A1. 保護対象の仮想マシンにインストールした、エージェントと呼ばれるプログラムを利用するバックアップ方式が「エージェント ベース」で、仮想マシンにエージェントのインストールが不要なのが「エージェント レス」です。ちょうど両者の違いを解説している記事がありますのでご覧ください。
参考:仮想マシンをバックアップする2つの方法(エージェントベースとエージェントレス)
上記の記事にもある通り、Arcserve UDP のエージェントレス バックアップは優秀で、ほとんどのバックアップ要件を満たすことができます。
ただし、今日のテーマの 「仮想マシンの移行」 という観点では、Linux 仮想マシンの移行のためにエージェントの導入が必要な場合もあります。以下、Arcserve UDP 9.2 での対応表を抜粋します。
Q2. Arcserve UDP でバックアップしている vSphere 仮想マシンを、Hyper-V に移行したいと考えています。このとき、シン プロビジョニング仮想ディスクは移行先でもシン プロビジョニングされるのでしょうか?
A2. Hyper-V への移行時に利用するリストア方法によって異なります。Arcserve UDP で異なるハイパーバイザに仮想マシンを移行するには、以下の3つの方法があります。
- ベアメタル復旧
- 仮想スタンバイ
- インスタントVM
このうち、「1. ベアメタル復旧」では、あらかじめ Hyper-V 上に仮想マシンを作成したうえでシステム復旧を行う手順になるので、任意の仮想ディスクを利用できます。
「2. 仮想スタンバイ」または「3. インスタントVM」を使用する場合は、バックアップ元の仮想ディスク タイプに関わらず、移行先のHyper-V 環境は「容量可変ディスク」で作成されます。ハイパーバイザとなる Hyper-V 側の機能で容量可変から固定長に変更できますが、変換中は仮想マシンの停止が必要です。
Q3. RDM(Raw デバイス マッピング/パススルー ディスク)を Arcserve UDP で移行したいです。どのような方法で移行できますか?
A3. RDM またはパススルー ディスクはエージェント ベースでバックアップする必要があります。移行先でも RDM またはパススルー ディスクを使用する場合、移行先ではベアメタル復旧を行ってください。
また、移行先の仮想マシンで RDM またはパススルー ディスクを指定するには、ベアメタル復旧のウイザードにある「復旧モード」の画面で「拡張モード」を選択し、復旧先のディスクを指定します。「拡張モード」については以下の記事もご覧ください。
Q4. 仮想マシンを Arcserve UDP でエージェントレス バックアップしています。[VMの復旧] を使い、仮想マシンを新しいハイパーバイザに移行できますか?
A4. ハイパーバイザの種類が同じであれば、[VMの復旧] で新しいハイパーバイザ上に仮想マシンをリストアできます。対象となるハイパーバイザが利用中の Arcserve UDP の動作要件に含まれていることをご確認ください。
バックアップ元とリストア先のハイパーバイザの種類が異なる場合(例えば、ESXi 仮想マシンを Hype-V に移行したい等)は、[VMの復旧] は利用できませんので、ベアメタル復旧や仮想スタンバイ、インスタントVMの利用をご検討ください。
Q5. Arcserve UDP は Proxmox VE 仮想マシンのバックアップや移行に対応していますか?
A5. はい、エージェント ベース バックアップおよびベアメタル復旧が行えます。なお、Arcserve UDP は Proxmox VE に限らず、ハイパーバイザに依存せず仮想マシンを保護できます。詳しい条件は動作要件をご確認ください。
以下、Arcserve UDP 9.x の Windows 動作要件からハイパーバイザのサポートに関する条件を引用します(Linux でも同様です)。
Windows エージェント ベースのバックアップでサポートされるハイパーバイザ
特殊な仮想環境を除き、一般的には Windows 仮想マシン内で以下の条件に限り Arcserve UDP Agent for Windows が実行できます:
・ハイパーバイザ ベンダがサポートしている Windows OS のバージョンで、且つ Arcserve UDP Agent for Windows でもサポートされている。サポート対象のハイパーバイザについて :
- UDP エージェント ベースのバックアップと復元のサポートは、バックアップ対象のベースとなる物理ハードウェア または Windows ゲストが実行されているハイパーバイザではなく、主にゲスト OS に依存します。- 仮想マシン上の UDP エージェント (Windows と Linux の両方) のエージェント ベース バックアップには仮想環境固有の機能はありません。
- 物理マシンでは発生せず、特定ハイパーバイザ上の仮想マシンでのみ発生する、エージェント ベースのバックアップの問題に関しては、Arcserve では解決できない場合があります。
- ご利用の仮想環境でのエージェント ベースのバックアップに懸念などをお持ちの場合は、30 日間ご利用頂ける無償トライアルで検証することをお勧めします。
Arcserve UDP 無償トライアル申し込み : https://www.arcserve.com/jp/free-backup-software-trial
以上、よくある質問と回答ではありますが、今日は少し細かい話になってしまったかもしれません。仮想マシンの移行の概要を解説する Web セミナーを開催いたしますので、こちらもあわせてご視聴ください。
ホテがお伝えしました。
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