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2025年6月20日 (金)

消したくても消せないファイルをアーカイブで即解決

もうすぐ夏休みシーズン、色々な思い出をスマホで保管している人も多いと思います。私もその一人で、スマホにたくさんの写真があるのですが、すぐに容量が一杯になります。データの整理も追いつかなくなって、最近ではクラウドのお世話になっています。クラウドにデータがあるので、スマホ側の写真をかなり思い切って削除でき、容量が空くようになりました。

このような容量不足は皆さんの会社で利用される、ファイル サーバでも起こりがちな現象です。ファイル サーバに保存されるデータ量は年々増えていき、想定したハードディスク容量では賄えなくなる場合があります。この容量不足の原因の1つとされるのが、古いデータです。ファイル サーバには使われていないデータが保存されていることが多く、そのデータが必要かどうかは利用者しかわかりませんし、また利用者でもわからないこともあります。

ストレージ容量が枯渇してくると、ファイル サーバに保存しなければならないデータが入らないことも出てきます。また、ファイル サーバ自体の容量が多いので、バックアップ容量やバックアップ時間にも影響が出てきます。

とはいえ、ファイル サーバを管理している情報システム部門の一存でデータを削除するわけにもいかず、悩みの種になることも...

そんなジレンマを解消できるのが 【アーカイブ機能】です。

アーカイブは古くなったファイルや不要と思われるファイルを削除ではなく、他の媒体に移動する機能であり、ファイルの非アクセス期間やファイル サイズ、拡張子など、様々な条件から設定できます。後から必要になってもアーカイブ先から戻せます。

このアーカイブ機能は Arcserve UDP と Arcserve Backup に標準機能として搭載されています。バックアップ対象によって利用できるか変わるため、利用可能なバックアップ対象を表にまとめてみました。

1matrix

この表に出てくる [スタブ] と [一覧] は、アーカイブによって移動 (削除したファイルを後から判別するための機能になります。まずスタブは木を切った後の「切り株」という意味があり、ファイルを移動させた後で同じ名前のテキスト ファイルを置く機能です。テキスト ファイルの中身を見ると、アーカイブによって処理されたことがわかるようになっています。一覧はアーカイブによって移動したファイル リストが CSV 形式で保存されます。

 Arcserve UDP の設定方法は過去のブログ記事で紹介していますので、このブログ記事では Arcserve Backup の Client Agent によるアーカイブ機能と、共有フォルダをアーカイブさせる代用方法についてご紹介します。

<過去のブログ記事: Arcserve UDP のアーカイブ設定>

ファイル アーカイブ、Arcserve のどれを選択したらよい?

 

🔳アーカイブ マネージャを使った設定 (Client Agent)

Client Agent の Windows OS ではスタブと一覧の両方に対応していますが、Linux OS の場合は一覧のみの対応になります。どちらもファイル移動 (削除の専用機能である、アーカイブ マネージャを使います。

アーカイブ マネージャでジョブを設定する前に、スタブと一覧の設定を行います。

1) スタブ設定 (Windows OS)

この機能はアーカイブ対象のWindowsサーバ (クライアントOSも対応しています) に導入する Client Agent for Windows で設定します。Client Agent を導入後、Windows のスタートメニューから [Arcserve] を展開し、[Arcserve Backup] を選択します。表示された画面にいくつかアイコンが出てくるので、その中の [Backup Agent 管理] を選択します。

表示された画面で、"Arcserve Backup Client Agent" が表示されている状態で、右側にある環境設定ボタンをクリックします。("Arcserve Backup Client Agent" 以外が表示されている場合は、プルダウン リストから選択します。)

2agentsettings12

環境設定の画面が表示されるので、一番下にある [アーカイブ ファイルのスタブ ファイルを作成] にチェックを付けて、OKをクリックすれば設定終了です。 

3agentsettings2

対象のWindows サーバが複数ある場合は、各サーバで同じ設定を行います。

2) 一覧の設定

CSV ファイルによる一覧ファイルの作成は、Arcserve Backup 本体製品導入サーバで設定するため、Windows だけでなく、Linux のファイルも表示されます。設定には Arcserve Backup マネージャを開き、[サーバ管理] を選択します。サーバ管理の画面左側のペインにバックアップサーバ名が階層化表示されるので、下の階層のバックアップ サーバを選択 (青紫の囲) し、環境設定をクリックします。

4serverconfig1

環境設定画面が開いたら、ジョブ エンジンタブの一番下の項目 [アーカイブ CSV ファイルを有効にする] にチェックを付け、OKをクリックすれば設定終了です。

5serverconfig2

3) アーカイブ スケジュールの作成

ファイルを移動させるデバイスやクラウドを用意し、Arcserve Backup のホーム画面から [アーカイブ マネージャ] を選択します。

6archivesettings1

Arcserve Backup のアーカイブの設定は、バックアップの設定とほぼ同じです。スタート タブやソース タブを設定し、スケジュールを設定します。

アーカイブは1回のみ実行することはできないため、繰り返し方法から選択してください。[曜日] [] などで設定してください。[] を選択すると最終週の週末だけ実施することもできます。なお、1回のみ実施される場合は、スケジュール設定で実行させた後、ジョブ ステータスの画面から該当のスケジュールを削除してください。

次にポリシーで移動させるファイルの条件を指定します。ファイルの種類や拡張子を限定する場合やフォルダ名を限定する場合は [ファイル パターン] [ディレクトリ パターン] で条件を設定します。ファイルのアクセス期間だけで設定する場合は、ファイル経過時間から設定します。7archivesettings2
アーカイブ先を最後のデスティネーション タブで指定し、メディア プールに名前を指定します。(アーカイブのメディア プールはこの画面で作成するため、既存のメディア プールを選択すると、サブミット時にエラーになります。) 保持期間をクリックし、移動先での保存期間を設定します。

※保持期間はデフォルト "3年" ですが、期間を経過するとファイルの移動先となるアーカイブ先からもデータが無くなるため、十分な期間を設定してください。

※クラウド ストレージ (クラウド デバイス) をアーカイブ先として利用する場合、ソースとなるサーバから直接移動はできません。このため、スタート タブで [ステージング有効化] にチェックを入れ、D2D2C のアーカイブ ジョブを作成します。また、クラウド デバイスの保管期間はメディア プールではなく、デスティネーション タブに表示される [クラウド ポリシー] で設定します。

8archivesettings3_20250619205501

 サブミットをクリックし、アーカイブ ジョブを作成します。サブミット時にファイル削除の警告とメディアプール作成の確認画面が表示されます。

認証などの画面のあと、最後にジョブのサブミット画面が表示されます。ここでジョブの実行日時を指定しますが、指定する日付はスケジュール タブで指定した曜日や日にちに合わせてください。アーカイブはファイルを削除するため、実行日時をデフォルト表示のまま実行した場合でも、スケジュール タブで指定した曜日や日にちに自動的に合わせます。つまり、スケジュール タブで指定した曜日や日にち以外では実施しません。

最後にOKをクリックし、アーカイブ ジョブを実行します。

4) 結果の確認

アーカイブ ジョブが実行され、対象サーバからファイルが削除されます。Windows OS の場合は、拡張子 "asbuarc" のスタブ ファイルが作成されます。スタブ ファイルができることで、何のファイルがあったか判断できます。そしてスタブ ファイルには、いつ、どこに移動したかがわかるようになっています。後からファイルが必要になる場合は通常のリストア処理で戻しますが、このスタブファイルを管理者に送ってもらえれば、リストアもスムーズにできます。

9before

Arrow

10after

11stub

次に作成した一覧ファイルを確認します。デフォルトの一覧ファイルの作成先は下記フォルダになります。このフォルダの下に西暦年と月のフォルダが作成され、一覧となる CSV ファイルが保存されます。

C:\Program Files (x86)\CA\Arcserve Backup\Archived Files

12csv1

13csv2

また Arcserve Backup のアーカイブは、ファイルを移動する前に対象サーバのファイルと書き込み先のファイルを比較し、正しくアーカイブされたか確認することもできます。(デフォルト設定で比較処理が入ります。)

14compare_20250619202901

 

Arcserve Backup を使ったアーカイブの設定や確認は以上になります。

 

🔳共有フォルダのアーカイブ代用設定

共有フォルダのファイルを移動する場合は、Arcserve Backup の初期リリースから搭載されている バックアップ後のソースファイル削除設定とメディア プールを利用します。

※ Arcserve Backup では、CIFS/SMB 共有のみバックアップできます。

1) メディア プールの作成

最初に移動先の媒体での保存期間を設定するため、メディア プールを作成します。

Arcserve Backup のホーム画面で青いバーの [管理] を展開し、[メディア プール] を選択します。メディア プールの画面で [新規] をクリックし、保存期間に相当する日数を指定したメディア プールを作成します。

※保存日数は最後に書いた日から指定期間上書きを禁止する機能です。

※保存日数を経過すると、ファイルの移動先となるメディアからもデータが無くなるため、十分な期間を設定してください。

15mediapool_20250619204901

2) バックアップ ジョブの作成

次にファイルを移動 (削除) させるバックアップ ジョブを作成します。

Arcserve Backup で [バックアップ マネージャ] を開き、スタート タブの内容を指定します。次にソース タブで対象の共有フォルダを追加するため、[優先する共有名/マシン名] 上で右クリックし、[マシン/オブジェクトの追加..] を指定します。開いた画面で、共有フォルダを UNC パス形式で追加します。

1617addshared_20250619205201

必要な共有フォルダをすべて追加し、ファイルの移動 (削除) を行う共有フォルダをバックアップ ソースとして選択します。(共有フォルダの選択時にアカウント認証が入ります。) 次のスケジュール タブでは、ファイルの移動を実行させる曜日や日にちを指定します。(バックアップ ジョブのため、1回のみの実行も可能です) 最後に、デスティネーション タブで移動先を選択し、作成したメディア プールを指定します。
18destination_20250619210401

※クラウド ストレージ (クラウド デバイス) を移動先として利用する場合、ソースとなる共有フォルダから直接移動はできません。このため、スタート タブで [ステージング有効化] にチェックを入れ、D2D2C のバックアップ ジョブを作成します。また、クラウド デバイスの保管期間はメディア プールではなく、デスティネーション タブに表示される [クラウド ポリシー] で設定します。

次に、移動 (削除の条件を指定するため、[フィルタ] をクリックします。

このフィルタでは様々な条件を指定でき、さらに [除外] や [組込み] を組み合わせることで細かい設定も可能になります。(設定できる条件はアーカイブ機能のポリシーと同じものを設定できます。) なお、移動 (削除の条件でよく利用されるのが、[過去の指定期間内にアクセスされたファイル] です。

19filter_20250619211101

例えば 5年 以上誰からもアクセスされていないファイルを移動させるには、[除外] の条件で [過去の指定期間内にアクセスされたファイル] に "5年" の期間を指定します。(画面の例では5年ですが、今回は3年で実施しています。)

20filter2_20250619211501

移動 (削除) 条件を設定し、フィルタの画面を閉じたら、次に必要な設定を加えていきます。追加設定を行うため、フィルタの左にある [オプション] をクリックします。

移動 (削除) させるための必要な設定は 3つ です。

1つ目はファイルを削除する設定です。

開いた画面で [操作] タブをクリックし、真ん中あたりにある [メディアへのバックアップ後にソース ファイルを削除] の項目にチェックを付けます。(ファイルを削除する設定のため、チェックを付けると警告が出ます。)

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2つ目は移動対象となったファイルをログに記録する設定です。

[ジョブ ログ] タブをクリックし、[全アクティビティ] を選択すると、Arcserve Backup LOGフォルダに詳細なログが追加され、対象となったファイルをフォルダ構造で記録します。

22backupoption2_20250619212001

3つ目はアーカイル機能と同じ比較を設定します。

[検証] タブをクリックし、[バックアップ メディアとディスクの比較] を選択します。

23backupoption3

設定が終わったので、OKをクリックして、グローバル オプションの画面を保存して閉じます。

バックアップ ジョブ をスケジュール実行させるため、[サブミット] をクリックします。アカウント認証などの画面が入り、最後にジョブのサブミット画面が表示されます。この画面で実行日時を指定しますが、もう1つ大事なのがジョブ名です。ここで指定した名前でログファイルが作成されるため、わかりやすい名前を指定します。

24backupsubmit

最後にOKをクリックし、ファイルを移動させるためのバックアップ ジョブを実行します。

3) 結果の確認

バックアップ ジョブが実行されたら、共有フォルダからファイルが削除されているか確認します。古いファイルが削除されていることがわかります。

25before

Arrow

26after

次に移動対象となったファイル一覧を見るため、ログを確認します。ログはデフォルト設定でバックアップサーバの下記フォルダに格納されています。

C:\Program Files (x86)\CA\Arcserve Backup\LOG

サブミット画面で指定した、ジョブ名のログが2つ作成されていることを確認できます。

27log1

Arcserve Backup は、バックアップ処理で "マスタ ジョブ" と "子ジョブ" という親子関係の2つの処理 (ジョブを動かします。マスタ ジョブでバックアップ処理を開始させ、その後で子ジョブを作成し、実際のバックアップ処理は子ジョブに実行させます。2つの処理が動くため、ログもマスタ ジョブと子ジョブの2個分が作成されます。この2つのログのうち、対象のファイル一覧が記録するのは子ジョブ側のログになります。子ジョブのジョブ ID はマスタ ジョブの1つ後になるため、"JobLog_xxxx" から始まるログファイル名の、数字が大きい方が子ジョブのログになります。

子ジョブ側のログを開き、移動したファイル名がフォルダ形式で記録されていることを確認します。

28log2

なお、マスタ ジョブ側のログには、移動したファイル数などの情報が書き込まれています。

最後に比較の設定結果を見てみます。Arcserve Backup の [ジョブ ステータス] の画面でアクティビティ ログに記録された比較の情報を確認します。

29compare

 

共有フォルダのファイル移動 (削除) の設定や確認については以上になります。

どちらの方法も、移動したファイルを戻すには、ファイルのリストアを実施してください。

長くなりましたが、アーカイブ機能は Arcserve UDP  Arcserve Backup も標準機能で搭載しています。バックアップだけでなく、便利なツールとしても利用できるため、是非色々と使い倒してみてください。()

 

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